1日1万5000個のおはぎを売るスーパー、築160年の古民家レストラン…スルーできない秋保の名所巡礼

家具職人が手掛けるライフスタイルショップ

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　オーダーメイド家具の工房にショールーム兼セレクトショップを併設した「クラスコファニチャー」。ショップでは、オリジナル家具や雑貨、東北の手仕事などを購入することができます。注目は、秋保石や宮城県産の栗材などを使い、国産広葉樹の有効活用と、地域素材の背景を伝える同社の生活雑貨ブランド「SENDAI FORME（センダイ・フォルム）」。

　秋保石の吸湿性と重み、栗材の風合いを活かしたブックエンドや、東北の郷土玩具を模したオブジェ。駆除された獣の皮などをアップサイクルする岩手のブランド「山ノ頂」とコラボした鹿革シートのスツールなど、東北のポテンシャルと温かみを感じるアイテムが揃います。

　家具職人がつくる美しいフォルムのカッティングボードや鍋敷きといった暮らしの道具は、シンプルながら機能的でついあれもこれもと欲しくなります。もちろん、本格的なチェアやチェスト、キッチンなどの大物をオーダーするのもあり。秋保温泉にちょくちょく通いながら相談するのもいいですね。アパレルなどのポップアップも随時開催しているので、気軽にのぞいてみてください。

秋保きっての景勝地で渓谷の自然に浸るひととき

　秋保の景勝地としてもっとも有名なのが、華厳の滝（栃木）、那智の滝（和歌山）と並び、日本三大名瀑のひとつともいわれる「秋保大滝」。凝灰岩を割って、高さ55m・幅6mから落ちる大瀑布は迫力満点です。

　滝の全貌を望む滝見台（秋保大滝不動尊の奥にある）からの眺めもさることながら、滝壺まで足を伸ばせば、間近で豪快な流れというか爆音の衝撃を体感できるはず。新緑に紅葉、雪景色……その一瞬一瞬の美しさを目に焼き付けましょう。

　もうひとつ、秋保の景勝地として外せないのが「磊々峡（らいらいきょう）。「界 秋保」の客室「紺碧の間」は、この峡谷が“紺碧の淵”と呼ばれていたことからきています。

　覗橋（のぞきばし）を中心に、上流・下流約1kmわたって峡谷美が続き、遊歩道からは横顔のように見える「奇面巌」、幅8間（約14m）もの巨大な岩「八間巌」、雨天時に現れる「時雨滝」など、長い年月をかけて削り出された自然の造形美を眺めることができます。

　覗橋から下を覗くと、「恋人の聖地」に認定されたハート型にくぼんだ岩があり、恋人たちのパワースポットとして人気。覗橋の上流側にある観光施設・秋保・里センターの裏手には、「磊々峡もみじのこみち」という散策路があり、そこから歩いて覗橋に出ることも可能です。

 「界」は星野リゾートが全国23ヵ所に展開する温泉旅館ブランド。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。

　2024年4月に開業した「界 秋保」は、東北エリアでは青森県・大鰐温泉の「界 津軽」に続き2施設目、宮城県には初進出。奥羽山脈を源流とする名取川を見下ろす絶好のロケーションで、渓谷美に包まれながら日常を忘れられる宿です。

　寒い冬ほど、この地の人々の温かさや、生活文化の豊かさに心安らぐ時間を過ごせるに違いありません。

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2024.12.08(日)
文＝伊藤由起
写真＝志水 隆、伊藤由起
写真協力＝界