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「下着が吸水するのはかなり衝撃的だった」

木川 ここ数年でいろいろなタイプの生理用品が登場しましたが、今は何を選んで、どんなふうに使っていますか? 私はすっかり吸水ショーツラバーです。

 ファースト吸水ショーツは「ムーンパンツ」だったのですが、下着がそのまま吸水してくれることは衝撃的でした。これまで気になっていた肌かぶれはなくなるし、モレやムレの心配からも解放されて、「こんなに快適になるなんて最高!」と思ったことを覚えています。安心感が得られたことも嬉しかった!

 今は複数のブランドを使い分けていて、生理が始まる直前は、いつ始まっても問題ないように「ピリオド Sport0」を。サイドにスリットが入っているデザインだから鼠径部への締め付けがなくて、生理前のむくみやすい時期でもストレスなく取り入れられます。生理が始まったら薄型だけど吸水力がある「ムーンパンツ」を。

 経血が多い日は吸水面が8層構造になっている吸水ショーツ「Hogara×TENTIAL」に、「ナチュラムーン」、「ナトラケア」などのナチュラルタイプのナプキンを併用しています。外出の際は吸水ショーツにナプキンを付けておいて、替えのナプキンは持ち歩かず、途中でナプキンを外して、その後は吸水ショーツのみで過ごしています。

 終わりかけの時は、気持ちをあげていきたいからビビッドなカラー展開のある「リジュー」を選んで、心地よく生理期間を過ごしています。

 同じ吸水ショーツでもブランドによって特性は変わってくるから、そのことを知ると快適さに磨きがかけられるし、生理期間外でも普段の下着として使えるから実はコスパがいいと思っています(笑)。富田さんはどうですか?

富田 私は今は月経カップをメインに吸水ショーツを併用しています。「そろそろ生理だけど、いつ始まるのかな」というときは吸水ショーツを穿いて、生理が始まって経血が多い日は今もモレへの心配はあるから、必ず月経カップと吸水ショーツのダブル使いで対策しています。

木川 月経カップは、「挿入が難しい」「上手に装着できていなかったみたいで経血が漏れた」という話を聞くことがありますが……。

富田 口の部分を折りたたんで挿入して、腟内で開かせて使うんですけど、私も慣れるまでは難しかったです。もともとタンポンを使っていたので、トライしやすかったですけど、ナプキン派には少しハードルが高いかも。

 初めての人は、生理ではないときに練習するのがいいと思います。挿入の仕方に慣れるという意味でも、つけた感覚を知っておくという意味でも。挿入しにくいときは、滑りをよくすることも大事なので、腟口まわりにデリケートゾーン用のケアアイテムを塗布することで、スムーズに装着できます。

木川 月経カップは具体的には何を愛用していますか? 

富田 柔らかくて挿入しやすい「フルムーンガール」や、サイズ選びがわかりやすい「メルーナ」を、吸水ショーツは穿き心地のいい「ピリオド Sport0」や「Hogara」を使っています。どちらも1回買ったら繰り返し使えてサステナブルなので、それまではタンポンを使っていましたが、切り替えました。

 月経カップや吸水ショーツは「高くない?」と聞かれることもありますが、初期投資という考え方をしています。ナプキンを買い続けるよりは、結果的にコストを抑えられると思うし、ゴミが出ないという点も私にとっては大きな魅力です。

須藤 私は30代からいろんな生理用品を使うようになって、無理せず使い続けられるかどうかが大事だと思うように。例えば、月経カップの場合、日中に替えたくても会社のトイレの個室に手洗い場がないと難しいなど、生活スタイルや環境によってはフィットしないこともありますよね。コスト、素材、取り替えるシチュエーションなど、トータルバランスで無理のない範囲で快適であることを大切にしています。

 あとは、生理用品はデザインが結構大切。これまでは、積極的に買いたくなるようなデザインではないけど、必要だから仕方なく買っていて、持ちたくないのに持ち歩かないといけないのが嫌でした。生理用品もデザインが素敵だったら、ファッションアイテムを選ぶ感覚で「使ってみたい」という気持ちが生まれると思うんです。

木川 そういう気持ちの部分も大事ですよね。今は何を使っていますか?

須藤 今は自分でデザインした「limerime」のナプキンを使っているから、そういったストレスがなくなって気持ちは穏やか。 生理が始まりそうなときはlimerimeのおりものシート、経血量が多くない日はスリム、多い日はスタンダードと、シリーズで使っています。終わりかけは経血量も少ないからナプキンを取り替えるほどではないので、肌触りのいい吸水ショーツ「ayame」を取り入れています。

2024.11.22(金)
Text=Seiko Kigawa
Photographs=Miki Fukano

CREA Due 2024年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。