●与えられた台本で演じることが新鮮

――その一方で、青山さん自身の俳優業に対する憧れは?

 常に目立ちたい気持ちもありましたし、お笑いも俳優もやっている原田泰造さんや岡村(隆史)さんがカッコ良くて憧れていたんですよ。映画もTVドラマもよく観ていましたし、いつもコントをやっているので、「演技する」っていうことは単純に好きでしたし。

 だから、最初に『いざなぎ暮れた。』という映画の出演が決まったときは嬉しかったですし、現場も楽しかったですね。あと、いつもは自分で台本を書いて、演じているので、他人から与えられた台本で演じることが、とにかく新鮮だったんです。

――古川琴音さん演じる三女の恋人・タカヒロ役を演じた『お母さんが一緒』の出演経緯は?

 最近は事務所から俳優オーディションの話も来ないし、「芸人として、ネタの方に集中しようかな?」って思っていたタイミングで、今回のお話が来たんです。

 しかも、橋口(亮輔)監督からの指名だったうえ、恋人役の古川琴音さん、彼女のお姉さん役の江口のりこさん、内田慈さんといった3人の女優さんとの共演じゃないですか! 嬉しかったですし、かなり驚きましたよ。

 そして、台本を読んだら、セリフも多いし、「これは只事じゃないぞ」って(笑)。

――そこで役作りは、どのようにされたのですか?

 最初の稽古のときに、女優さんたちが台本持たずにやられていたので、「これはやばい!」って思って、そこから2週間ぐらいセリフを全部いれるだけでなく、役のタカヒロのことばかり考えていましたね。仕事の合間も、すっと台本読んでいたので、ほかの芸人から「俳優やってるって自慢してるよ」とイジられるぐらい……(笑)。

 ただ、タカヒロは自分にないキャラクターではなかったですし、橋口監督からも「普通に青山くんでやっていいよ」って言ってもらったので、そこに関してはナチュラルにやらせてもらいました。ただ、長崎弁に関しては、めっちゃしんどかったです!

2024.07.12(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘