その3:アイコンがレトロさ全開でエモい

 ホーム画面などのカラフルな色使い、さらにはレトロさ全開のアイコン類のデザインも、このiPhone 3GSの大きな特徴です。これらはiOS 7以降ではフラットかつ単色を中心としたデザインに改められて姿を消したため、いま見るとエモさを感じさせます(iPhone 3GSにおけるiOSの最終バージョンは6.1.6)。さまざまなアプリを試すのが楽しかったスマホ黎明期を思い起こす人も少なくないはずです。

その4:アナログを模したエフェクトがエモい

 この頃のiPhoneと言えば、最先端のツールでありながらデジタルらしくない、アナログを模したエフェクトやアニメーションの動きが多数見られます。具体的には、年月日を入力するドラムロールの立体的なデザインや、カメラアプリ起動時に表示されるシャッターが開くアニメーションがそれです。

 またiTunesでは、アートワークをパラパラとめくって曲やアルバムを選択するという、かつてのiPod譲りのインターフェイスも健在です。

 

その5:アナログフィルムのようなカメラの写りがエモい

 このiPhone 3GS、iOSのアップデートが終了しているため新規にアプリをインストールできないのですが、標準で用意されている機能の中で、特にエモさを感じるのがカメラです。アナログフィルムを現像したかのような写真の色調は、レンズ付きフィルムやインスタントカメラにも通ずるところがあり、無加工でもレトロさは満点。日頃のスナップを撮ってシェアするのに、これ以上のツールはないといっていいかもしれません。

15年前の製品と思えないほどヌルヌル動く

 ここまで紹介してきた以外にも、Lightningよりもさらに古いDockやイヤホンジャックなど、今となっては懐かしいインターフェイスを搭載するほか、Touch IDもFace IDも非搭載であることから、ロック解除はパスコードでなくては行えないなど、不便なところはあちこちにあります。ネットへの接続はWi-Fiでしか行えないほか、今では当たり前の電子マネーも使えません。

2024.07.01(月)
文=山口真弘