台湾のお茶の魅力をお菓子で

 お菓子を作る髙石あいりさんは、高級ホテルで5年、お菓子作りに携わってきた人物。

「台湾茶の茶葉を使ったお菓子は初めてで、試作を繰り返しました」

 台湾茶の持つ独特の風味を強く出すために、お湯で抽出するのではなく、茶葉を粉にして使用。「試作ができると妻と私で味見をして検討。髙石に修正点を伝えると、配合を変えてまた作る。それを何度も何度も繰り返して納得のいく味に仕上げました」と、ご主人・山口さん。「それで、僕はかなり太ってしまいました」と苦笑い。ポイントは食感。マドレーヌはしっとり、スコーンはザクザク。どのお菓子も甘さ控えめで、台湾茶との相性にもこだわったオリジナル。一度ではまってしまいました。

 山口さんの「台湾茶やコーヒー豆を使ったスイーツを、同じお茶と一緒に味わってみてほしい」という思いから、台湾茶や阿里山コーヒーも販売されています。

 唯一「スノーボール」は、茶葉を使わずに仕上げたのだそう。「お茶の味を引き立てる、シンプルな味のお菓子も必要だと思って」と山口さん。お話していると、台湾茶が飲みたくなりました。

おばあさんの味を大切にした「豆花」のお店へ

 「台湾菓子工房」を後にして、「阿嬷豆花(アマドウファ)店」を訪問。阿嬷豆花(アマドウファ)とは、おばあさんの豆花という意味で、曾采薇さんのおばあさんの味、レシピを大切にしていることがわかります。

 入り口すぐに、豆花のトッピングのいろいろ。タピオカ、白玉、小豆、緑豆、ハトムギ、さつまいも団子、タロイモ団子、ピーナッツ、仙草ゼリーなどが並んでいて、「阿嬷豆花」を注文すると、これらから4種類を選び、きび砂糖か豆乳のどちらかからシロップを選び、冷か温かも選べます。いろいろ迷いますが、これがまた楽しい。欲張って、トッピング全部のせもあり(笑)。豆花と一緒に、台湾茶を何煎もゆっくり味わうこともできます。

 また、「ルーロー飯」や鶏肉の「ジーロー飯」、さつまいものお粥や鹹豆漿(豆乳スープ)などもあり、人気で売り切れてしまうことも多いとか。さらに、朝ごはんも始められたとのこと。台湾を旅した気分になれるお店です。

 京都三条会商店街のお店とコラボした、「東方美人茶」「タロイモ甘酒」のジェラートや「ルーローパン」といった商品も誕生したのだそう。台湾のフードが広がっていて興味津々です。

 「台湾菓子工房では、お菓子の種類を増やしていきます。まず、抹茶の台湾カステラからスタート。タロイモのシュークリームやバターサンドも出したい。和菓子とのコラボも考えています」と山口さん。

 台湾スイーツが、ますます身近になりそうです。

台湾菓子工房

所在地 京都府京都市上京区小山町884 カールヴィラ千丸1F
電話番号 075-811-8801
営業時間 12:00~17:00
定休日 日・月曜
Instagram @taiwanokashi.kyoto

阿嬷豆花店

所在地 京都府京都市中京区三条大宮町273-1
電話番号 075-366-6626
営業時間 8:00~17:00
定休日 日曜
Instagram @amadouhua.kyoto

Column

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生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2024.06.16(日)
文・撮影=そおだよおこ