日本船籍最大の洒脱な客船「飛鳥Ⅱ」で航海したのは瀬戸内海。島国日本の島影を見ながら、神戸発着の2泊3日を満喫する船旅へ。


地上の楽しみのすべてを乗せて洋上を航く

 船旅と聞いて、連想するのはどんな旅だろう? 様々な港を巡る長期周遊の船旅にも夢があるが、今回は、長期の船上滞在が難しい人でも、週末を利用して豪華客船「飛鳥Ⅱ」の世界が楽しめる「A-style クルーズ」2泊3日の旅を紹介したい。

 郵船クルーズが運航する「飛鳥Ⅱ」は、言わずと知れた日本の豪華客船の代名詞。総重量は50,444トンを誇り、乗船客ひとり当たりのスペースや乗組員比率で世界のトップレベルを誇る。

 ゆったりした客室は全室が海に面しているため、移り行く海の風情を客室からも楽しむことができる。船内には外国客船時代を彷彿とさせるような華やかな雰囲気が満ち、フレンドリーで心地よい距離感を保つクルーたちのホスピタリティには和のきめ細やかなおもてなしの心を感じるに違いない。

 「A-style クルーズ」は、毎回様々なゲストアーティストのステージと、著名なシェフによる料理を楽しめるテーマ性の高さが好評のプログラムだ。今回は神戸港を出港し紀伊水道を抜け、四国遠洋をぐるっと回る航路を行く。

 神戸港に聳え立つように停泊する美しい船の威容に感動しながら乗りこむ。海風を感じつつウェルカムドリンクを味わっていると、出航を告げるドラの音が響き、バンドの生演奏が旅の始まりを彩る。港で見送る人に手を振り、これから洋上の時をともに過ごす客同士が笑顔で互いの出航を祝う華やかなひと時は、船旅ならではの光景だろう。こうして、船上からは室戸岬など日本列島の島影を、船内では一流のエンターテイメントと料理を堪能する2泊3日、夢の軌跡が始まった。

 船旅の魅力の一つは「何でもできる自由、何もしない自由」を満喫することだが、このクルーズでは客室に籠もっているのはもったいないような気になってくる。世界一周など最も長い旅は約100日間にわたって展開されるわけだが、そのロングクルーズを飽きずに楽しませるしかけが「飛鳥Ⅱ」には満載なのだ。

 まずはなんといっても食の多彩さが魅力。朝昼夜、乗船中ほとんどの時間、様々な飲食が提供され、心ゆくまで食の愉しみを堪能できる。

 今回のクルーズには「ピアットスズキ」の鈴木弥平シェフが乗船し、珠玉のコース料理を提供してくれていた。乗船するたびに様々なゲストシェフの至高のメニューと出合えるのもまた、「A-style クルーズ」の楽しみの一つなのだ。

 1日目の夜には船内エンターテイメントのオープニングを飾るプロダクションショーに見惚れ、2日目の夜はゲストアーティスト(今回はジャズピアニストの国府弘子氏)の圧巻のステージパフォーマンスに酔いしれる。

 ステージ以外にも、カジノや、プール、広い船の甲板を歩いて回る“ウォーク・ア・マイル”など、部屋を一歩出れば様々なアクティビティやプログラムが用意されているのだから、ことほど左様に充実した「飛鳥Ⅱ」でのインシップライフには体験しなくてはわからない特別な時間が流れている。

 そして、船上のすべてのシーンにおいて、視界いっぱいに大海原が広がり、視線を移せば対岸に山並みや街の景色が目に入り、旅情を誘う。

 今回のクルーズの乗客の実に40%がリピーターであるという事実も十分頷ける。皆、飛鳥クルーズでの夢の体験が忘れられず、再びここに戻ってくるのだろう。

「神戸 A-style クルーズ ~夏彩~」

1日目夕方 神戸港出発
2日目終日 クルージング
3日目朝  神戸港帰着
料金(1名)136,000円~(1室2名利用)
※ゲスト内容はクルーズにより異なる。
※発着港はコースにより異なる

Information

日本船籍最大の豪華客船「飛鳥Ⅱ」。船内には「アスカ アヴェダ サロン&スパ」やフィットネスセンターもあり、美容と健康についても安心してインシップライフが楽しめる。クルーズラインアップには、「A-style」無寄港3日間の他、5~13日間、さらには全100日間の世界一周クルーズまで、多彩なクルーズが揃うため、それぞれのスタイルに合った旅がきっと見つかる。
総重量 50,444トン
乗客定員 872名
乗組員数 約490名
客室数 436室(全室海側)

電話番号 045-640-5301
https://www.asukacruise.co.jp

Column

CREA Traveller

文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。

2023.10.18(水)
文=小川直美
写真=志水 隆
取材協力=郵船クルーズ株式会社

CREA Due Traveller 2023 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。