
日本を代表するワイン産地、山梨県甲州市勝沼町。民家と果実畑が広がるのどかな風景の中に突如現れるモダンな建物が、2017年にオープンした「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」だ。いまワイン通の間でじわじわと注目を集めているというMGVsワイナリーの魅力に迫ります。
山梨のぶどう畑を後世に残したい。きっかけはオーナー松坂さんの地元愛


中に入ると、シックで落ち着いた空間にワインボトルがズラリと陳列されている。この様子からは想像できないけれど、じつはここ、昔は半導体を加工する工場だったそう。
半導体会社を経営する一方、世代を超えて続けられる新たな事業を検討していたオーナーの松坂浩志さん。かねてからぶどう農家である両親の影響で、地元のぶどう畑やその景観を後世まで守りたい、そしてこの土地の風土を表現した高品質な日本ワインを造りたいという思いがあったため、ワイン事業の立ち上げを決意。第二工場での事業を海外に移したのをきっかけに、半導体工場の一部をワイナリーとしてリニューアルしたのです。

2023.09.30(土)
出演=鮎川桃果
文=平野美紀子
撮影=深野未季