30歳という節目で、この役に挑戦できる喜び
――強敵という役どころは、内田さんにとっても大きなステップになりそうです。
色んな役に挑戦させていただけるって、役者として本当に光栄なこと。僕も30歳という節目で、また新たなステージに上がれるように努力していかなきゃいけないなと思っていたタイミングで、蒼紫の役をいただきました。今まであまり挑戦したことないような役どころなので、本当に大きなチャレンジだと思っていますね。
――第8話で登場した蒼紫ですが、内田さんとしてはかなり低い声で驚かされました。アフレコ現場ではどのように蒼紫を作っていったのでしょうか。
原作での蒼紫の登場シーンはニヒルな笑いをしていたりと、意外と感情が表情に出ています。物語が進むにつれてクールになっていくんですが、アニメでの蒼紫は「登場の段階から声の表情もなくしていきたいんです」というオーダーでした。僕としてもかなり低く作り込んだ声で演技をしているので、表情を無くした時に青紫がどう見えるか不安はあったんですが、ここまで来たらやるしかない(笑)。表情を一切出さないことで、心の奥底が見えないキャラクターにする。そうすることで深くて重たい人間に見せる。そんなアプローチをしています。
――蒼紫の内面から考えて作っていったんですね。
彼は見た目が落ち着いてるのでわかりにくいですが、まだ若いです。それに対して経験値がすごく高い。ここに至るまでにどんな人生送って来たらそうなるのか。それを僕なりに想像したり、台本から解釈しあげることが大事だと思っています。
2023.09.28(木)
文=大曲智子
写真=釜谷洋史