「なかなか答えを出せないでいると、2016年の年末、12月30日だったと思いますが、鈴木さんに呼び出されて、吉祥寺にある喫茶店で話をすることになりました。
さすがに何らかの返事をしなければまずいので、僕は正直に『《君たち》と《シン・エヴァ》、両方ともやりたい』と伝えたんです。が、鈴木さんもなかなか譲ってくれない。『本田君、仕事っていうのは、二つしかない。やりたい仕事か、やらなきゃいけない仕事か、ですよ』なんて言う。結局、お前はどっちがやりたいんだと」
なぜ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ではなく、『君たちはどう生きるか』を選んだのか。なぜカラーからスタジオジブリへと移籍したのか。そして、宮﨑駿監督と机を並べた6年に渡る制作はいかなるものだったのか?
本田氏が今作について初めてインタビューに答え、巨匠・宮﨑監督との“真剣勝負”の日々を振り返った。
アニメ業界を揺るがした“大型移籍”の舞台裏、そして『君たちはどう生きるか』の制作プロセスを明かした、本田氏による「宮﨑駿監督との真剣勝負」は、「文藝春秋」2023年9月号(8月10日発売、「文藝春秋 電子版」では8月9日公開)に、10ページにわたり掲載されている。
2023.08.25(金)
文=「文藝春秋」編集部