災害時に本当に必要なものがわかる「おうちキャンプ」

 いざというときに、スムーズに在宅避難できるように、国崎氏が実践していることは主に3つあります。

 「1つ目は家を建てる際の土地選びです。ハザードマップを見て、土砂災害や洪水、津波、液状化の被害がないところを探し、震度7に耐える家を建てました。

 2つ目は備蓄です。我が家では1か月分の食料と飲み物を用意しています。お米やパスタなど常温保存ができるものや、レトルトや瓶詰め、缶詰め、乾物類など、普段使っているものを多めに買っておき、食べたら買い足す“家庭内流通備蓄”を実践しています。

 3つ目は、備蓄の飲み物にこだわることです。水ばかりだと幸福感を得られないので、発想を変えて、家族が飲みたいものを用意しています。私は健康を意識して普段から飲んでいる野菜ジュースを、夫は好きなジンジャーエールを、息子たちはゼリー飲料を備えています。また、我が家では飲みたいものをたくさん備蓄することを『ハッピーストック』『幸せ備蓄』と呼んでいます。どんな飲み物があると幸せに感じるのか、意識を変えてオリジナルの備え方を追求してみてください」(国崎氏)

 防災用品をたっぷり用意しても、いざ災害が起きたときに役に立たないものばかりでは、意味がありません。本当に必要なものを見極めるコツとして、国崎氏は、「おうちキャンプ」を提案しています。

「一定時間、ライフラインを使わずに過ごす“おうちキャンプ”で、災害時の疑似体験ができるんです。まず家にあるものでおうちキャンプをします。電気も水も使えないときに何が起こるのか、何が必要なのかを知って、足りないものだけを買い足すことをおすすめしています。卓上コンロでどんなお料理ができるのか試してみて、いろいろレパートリーを増やしておくのもいいですね」(国崎氏)

 秋はキャンプのシーズン。外で楽しむのもいいけれど、今年はおうちキャンプも実践して、楽しみながら災害に備えてみるのはいかがでしょうか? 最後に国崎氏監修の2023年版防災備蓄リストをご紹介します。あわせてご確認ください!

2023.08.31(木)
文=CREA編集部