メン獄 みな誇り高き戦士でした。一番象徴的なのが3.11のときで、大きく揺れてるのに、みんな避難しようとも帰ろうともしないんですよ。棚からガンガン荷物が落ちてくるのに、頑なにパソコンを閉じない。そんな光景に、派遣社員さんが動転して「みんな死んでしまう!」って叫びました。
さすがにやばいと思って、ぞろぞろと外に逃げたんですが、数えると部署のメンバーが1人見当たらないんですね。「あれ? あの人いないね」と、私が非常階段を駆け上がって助けに行ったら、まだじっとパソコンを見ている。
「どうしたんですか、なにやってるんですか!」って言ったら、環境省のHPが落ちてるとめちゃくちゃ怒っている。「こういう非常時にアクセスが集中する想定で設計がなされていない」と。とりあえず外に出ましょうと引きずり出しましたが(笑)、みな常軌を逸した仕事の鬼でした。
Twitterをはじめたのはこの頃です。3.11であらゆるメールサービスが止まってしまったとき、Twitterだけが動いていることに感動してアカウントをつくりました。
「メン獄」を名乗り始めた理由は…
――SNSで人気ですが、なぜ「メン獄」にしたんですか?
メン獄 よく聞かれるんですが、始めた当初は本名でやっていました。でも、社会人3~4年目のとき、心を病んだ先輩たちから「君は本当に心が強くていいね」と言われるようになって、お悩み相談にのっている流れでアカウント名を「メンタルサポートセンター」と変えたんです。相互フォローの人たちからも「メンさん、メンさん」って呼ばれるようになって。
でもいつまでもそんな名前にしていると、本当に重くメンタルを病んでいる人もやってくる気がして、バンド好きなので、フィッシュマンズにインスパイアされて「メンシュマンズ」にしたり、ケンドリック・ラマーから「メンドリックラマー」にしたりしてたんですね。アニメ好きなので、『鬼滅の刃』の煉獄さんに刺激を受けて「メン獄」にしたら、たまたまそのときに出版の話が来て、以降名前を変えられなくなったという落ちです(笑)。
2023.05.11(木)
文=メン獄