作家シスターフッドだ。

 生きて死んだ、今生きているひとりひとりが、言葉を通して、手を繋ごうと、肩を叩こうとしてくれていた。

 私は、私たちは、生きていれば、ときには病にも、嵐にも遭遇する。それに死ぬ。

「自分の恐怖を、誰かのものと比較する必要はない。全くない。/怖いものは、怖いのだ。」

 共に息をし、光と闇に目をこらそうとしてくれる、存在。それは目に見えないくもの糸みたいに、私のまわりにも無数に伸びているのかもしれない。

 いま、私もそこへ手をのばしたい。

 いつか必ず死ぬ、私たちの、シスターフッド。

にしかなこ/1977年、イラン・テヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪で育つ。2004年に『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で直木賞を受賞。近著に『夜が明ける』。
 

こばやしえりか/1978年生まれ。作家・漫画家。著書に『トリニティ、トリニティ、トリニティ』『最後の挨拶 His Last Bow』など。

2023.05.05(金)
文=小林エリカ