Q.3 高齢出産だからこそ気をつけることは?

A.3 妊娠高血圧症候群や帝王切開などのリスクが増える傾向に

 高齢出産は、精神的・経済的なゆとりなどよい面もありますが、やはり若い人に比べると流産や早産のリスクがやや高かったり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症しやすくなります。

 特に妊娠高血圧症候群は、突然発症し自覚症状がほとんどないため、日頃からきちんと体重管理することが大切。もともと血圧が高かったり、身内に高血圧の方がいる人は発症しやすいため、検診だけでなく自宅でも血圧・体重の測定をおすすめしています。妊娠中は血圧が130を越えたら黄色信号だと思ってください。

 また、高齢出産で初産の場合は産道がかたくて難産になったり、子宮筋腫などの持病を抱えていて帝王切開になる可能性が高くなります。高齢出産ということで初めから帝王切開をすすめる病院もありますので、自然分娩を希望する方は医師と相談しながら病院を選びましょう。

 妊娠中は出産のことで頭がいっぱいになりがちですが、生まれてからの育児にもかなりの体力が必要です。産後のサポート態勢も含めて、しっかり生活設計をしておきましょう。

【教えてくれたのは】
笠井靖代さん (日本赤十字社医療センター 産婦人科医師)

笠井靖代さん(日本赤十字医療センター 産婦人科医師)
日本赤十字社医療センター第3産婦人科部長。医学博士、産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。専門は周産期学や臨床遺伝学など。著書に『35歳からのはじめての妊娠・出産』(ナツメ社)がある。NHKの子育て情報番組『すくすく子育て』にもコメンテーターとして出演中。

赤山美智代さん (日本赤十字社医療センター 助産師)
日本赤十字社医療センター産科外来・小児保健部看護師長。助産師として、大学病院、総合病院、助産院で勤務し、これまでにたくさんの女性の出産介助や、妊娠期、産後期の保健指導に携わってきた。また、助産師教育にも力を入れており、多くの助産師を育てている。

2013.11.12(火)
text:Kayuki Senoo
photograph:Mila Supinskaya/shutterstock.com