気になる怪人は“キュン”とする怪人
――本作には「コウモリ怪人」や「ビルゲニア(古代甲冑魚)怪人」など、様々な怪人が登場しますが、特に気になる怪人はいますか?
西島 僕は「クジラ怪人」かなぁ。
中村 西島さん、「クジラ怪人」のことよく言っていますよね(笑)。
西島 「クジラ怪人」に変身する前の濱田岳くんがめちゃくちゃかっこいいんですね。その岳くんが変身する「クジラ怪人」が、とにかくかわいい(笑)。
中村 僕は「雀怪人」と「ビルゲニア」っすね。
西島 その二人もいいよね(笑)。
中村 「雀怪人」は、本作のヒロインである和泉葵の同級生・小松俊介が変身する怪人なんですけど、「雀か…」って切ない気持ちになるんです。
「ビルゲニア」は、三浦(貴大)くんが変身するんですけど「なんでこの人だけ怪人になっても顔だけ人間のまま出ているんだろう」って(笑)。
元々の「BLACK」に出てくる「ビルゲニア」も顔だけ出ているんですが、その時「ビルゲニア」を演じた役者さんがすごいアクションのうまい方だったんですよね。それを今作でも受け継いでいると思うんですけど、三浦くんがその姿でアクションをがんばってやっているのを見ると“キュン”とします。
――お二人とも、キュンとする怪人がお好きなんですね(笑)。本作は、親友であり宿命のライバルである光太郎と信彦が50年ぶりに再会し、その関係性がどうなっていくのかも見どころの一つかと思いますが、西島さんは、「中村さんがこういう風に信彦を演じられたからご自身もこういう光太郎を演じることができた」と感じたことはありますか?
西島 50年前は、同じ理想を持ってそれに向かって戦っていた2人ですが、僕が演じる光太郎はその戦いに挫折して、大義のために戦うことに興味を失っている人間です。あることをきっかけにもう1度戦うことになるんだけど、その時には信彦はもう頂点にいて、若者のリーダーとしてある正義と理想を持って戦っていて。
現場に行った時、若い俳優たちが「もう中村さんがカッコよくて……」と口々に言っていたんですよ。みんな倫也くんのことをカリスマみたいに思って演じていました。
中村 さっき、僕1人で別の取材している時に「西島さんが以前こう仰っていましたよ」と言われて、「いやぁ、盛っていますね」って答えたんですけど(笑)。でも、カリスマになろうと思ってもなれることではないし、役としてやらなきゃいけないことでもあったから「どうしようかな」とずっと思っていたので、カリスマになれていたのならよかったです。
西島 2人が戦うシーンがあるのですが、戦うことを捨てた男としては、信彦がいる“王様の椅子”に、地べたから這いつくばって向かって行くという感じがあって。それは倫也くんが信彦をカリスマ的存在に高くあげてくれればくれるほどその対比が生まれるので、僕の演技の助けになっていましたね。
2022.11.27(日)
文=根津香菜子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=亀田雅(西島秀俊)、Emiy(中村倫也)
スタイリスト=カワサキタカフミ(西島秀俊)、戸倉祥仁(中村倫也)