取り残されてる気がしたきっかけとなった、ある事件が起きたんです。コストコに行った帰り、国道135号線を走っていたんですよ。そうしたら前の車からウォッシャー液が掛かってきたの。

 走りながらウォッシャー液を出すなんてことは、私は失礼だと思っていて、私は絶対にしません。洗車したばっかりだったから、すごいイヤだったんです。なんて失礼なんだろうと思って、そのことをSNSに書いたら瞬く間に炎上して。

「どうしてこんなことになったんだろう」って、異常に落ち込んだんですよ。普通だったら、落ち込んでもだいたい1日で回復するんです。ところが、1週間くらい経っても落ち込みから這い上がれなくて。

ーーその騒動は覚えています。去年の12月でしたね。

アンナ そうしたら、娘の百々果が「ママさぁ、私、言ったよね」って。「絶対に真鶴での生活はうまくいかないよ」って前々から言われてたんですよ。

 百々果いわく、「視野が狭くなってるから、いろんなことを敏感に感じちゃうんだと思う」って。「東京にいても、ママはウォッシャー液をかけられたらきっと怒ってた。でも東京では、そういう目に遭ってもママはSNSには書かなかったと思う。そこが東京にいた時とは違う」「芸能人をやっていきたいんだったら、東京に早く戻ってきたほうがいい。じゃないと危険だよ」って言われちゃってね。

 

ーー東京から離れることで、視野が狭まったと。

アンナ 東京にいるといろんなことが次から次へ起きるから、そっちに集中するんですよ。真鶴だと、やることがないし、お友達もいない。ママと向き合って、ママのお世話をするだけの、私とママだけの生活。

 2人だけだと煮詰まっちゃって。私が夕方の6時に寝ようとすると、「もう寝ちゃうの?」とママが悲しがるんです。それで、私も「何時に寝ようが関係ないじゃん」みたいに思っていて。そういうイヤな雰囲気が生まれてしまうというか。

ーー悪い言い方になりますが、2人して老け込んでしまう危険性が。

2022.09.11(日)
文=平田裕介