私も同意見である。

 この夏、オリパラがなかったら、私たちの生活はどれほど味気なく、つらいものだったか。

 

「眞子さま結婚」に思い出す歌

 そんなことを考えていたら、眞子さまが年内にご結婚なさるというニュースが入ってきた。結婚後はニューヨークでお暮らしになるそうだ。

 これも意見がまっぷたつに分かれている。

 反対派はネットを中心に、

「もう皇室はなくしていい」

「税金を遣ってあんな男と結婚するのは許せない」

 とえらい見幕である。

 私はこのニュースを聞いて、古ーい歌を思い出した。「花嫁」という大流行したフォークソングである。

〈花嫁は夜汽車にのってとついでゆくの

 あの人の写真を胸に

 海辺の街へ

 命かけて燃えた

 恋が結ばれる(中略)

 何もかも捨てた花嫁

 夜汽車にのって〉

 眞子さまにぴったりの歌ではないか。

 

「眞子さま」問題もリトマス紙のようなもの

 反対派は、

「小室母子が皇室に入るのか」

 と激昂しているがそうではないのはあきらかだ。眞子さまが皇室を離れるのだ。今後は、皇室の行事に参加されることはない。国民感情を考え、一時金も受けとらないご意向だという。

 若い二人は本当に愛し合っているんだろうなあ。小室青年には言いたいことはいっぱいあるが、こうなったらもう仕方ない。国民の一人として祝福するしかないだろう。

 この「眞子さま」問題も、オリンピックと並んでリトマス紙のようなものかもしれない。情緒に走る人間と、理智を第一に考える人間。こんなにギスギスし始めたのはネットの発達ゆえか。

 みんなそんなにいきり立たなくてもと感じる9月1日であった。

 それにしても今週は引用が長くて失礼。

2022.03.29(火)
文=林 真理子