新藤 苦労は今のところないんですけど、関西圏出身じゃない方から、「関西弁が好きになりました」という感想をよくもらうようになったので、関西人としてはそれが嬉しいです。

――関西親善大使みたいなものですよね。ちなみに、お気に入りの関西弁はありますか?

新藤 「しばくぞ」とか結構、好きです。

こだわりはなく、好き勝手に描いている

――あはは。丸い絵柄も相まって、小林たちが言っても怖くないですね。すっきり整理された線なのに表情の描き分けが細やかで、キャラの感情が乗ってるなーと感じるのですが、その辺りのこだわりはありますか?

新藤 こだわりはなくて、好き勝手に描かせてもらっています。全然面白くない答えで申し訳ないです。

――先ほど周りに面白い方が多いとおっしゃっていましたが、表情豊かな方も多いから自然とそれを目にしていて、それが反映されているのかなあ。

新藤 そうやったら嬉しいですけど。

アホな会話に血が通っている理由

――ごく普通のリーマン・小林を中心に、幼馴染のけいつんや高校時代からの友人・村山、同僚のモリやんなどさまざまなキャラクターが登場します。各々にモデルはいるんですか?

新藤 います。自分を登場人物で言うと平凡なところが小林に似てます。

――小林は友人からも同僚からも愛されていますよね。会社まで友達が車で迎えに来てくれたり。

新藤 これはマジであることです。お互い、迎えに来てもらったり、迎えにいったり。

 

――どちらか一方が寄りかかっているんじゃなくて、持ちつ持たれつな関係なのがいいですよね。助手席にいる方がやけにかわいいクッションをずっと持たされている回もツボでした。この絶妙な距離感も読んでいて気持ちいいポイントですよね。

新藤 ときどき、「いーなー、こんな友達が欲しいです」みたいな感想をいただくんですけど、中には友達との間に実際にあったことを描いている時もあって。その投稿にこういう感想がつくと、その友達がめっちゃ喜ぶので、それを嬉しく思ったり。

2022.03.22(火)
文=山脇麻生