瀬戸内レモンの魅力と商品開発に込められた想い

 今回、成城石井が瀬戸内レモンを選んだ理由は、バイヤーが「今までの常識をくつがえすほどのインパクトを受けた」というレモンとの出会いがあったから。

 実は、酸味がまろやかで甘みの強さが特長の瀬戸内レモンが、おいしさのピークを迎えるのは初春。このあまり知られていない旬を、春の季節の便りとして届けたいと考えたことがきっかけだったそう。

 そこで、広島県のハマノ果香園の全面協力のもと、今回の取り組みが実現した。一つひとつ丁寧に育てられ、手摘みされた瀬戸内レモンは、防かび剤やワックスを使わないので、皮のままでも食べられる。ほどよい酸味と濃い甘みのある果汁が、まさにレモンの常識を変えるほどの豊かな味わいだ。

 レモンの樹には棘があり、風が強いと果実が傷つき、病気の原因となることもあるため、ハマノ果香園では樹の内側に実をならせることで果実を健康的に育てるなど、数々の工夫を行ってきた。

 しかし、コロナ禍の需要減少により2021年は加工・外食向けの出荷分を中心に2割ほど減少。移動制限や消費低迷が続く中、「瀬戸内レモンの本当においしい時期を知って、たくさんの人に食べてほしい」という生産者の想いと、青果売場での販売だけでなく、オリジナル商品や自家製商品への展開力・開発力を活かして現地の旬を伝えたい、という成城石井の想いが重なって今回のプロジェクトが実現することとなった。

 熟れた果実をそのまま味わう青果のほか、果汁、ジャム、ピールなどに加工し、自家製商品に使用するなど、「食卓でもっともおいしい“旬”を味わえる」、そんな成城石井ならではの商品ラインナップで、生まれ変わった瀬戸内レモンを、ぜひ味わってほしい。

 第二弾として、5月下旬にはジャムやドリンク、アルコール飲料も発売する予定だ。どれも、レモンの風味が恋しくなる夏場にぴったりの商品。果実そのものの「旬」の時期以外にも、瀬戸内レモンの魅力を存分に楽しめそう。

2022.03.11(金)
文=CREA編集部