特別な日を演出してくれる若きシェフの自由な発想

◆Nibbles(ニブルス)

 店名は「ちょっとずつつまんで齧る」という英語。

 庄司直央シェフが2020年5月にオープンしたこちらは、グレーとネイビーを基調とした美しい店内にフラットなL字カウンターが据えられていおり、シェフズテーブル気分でボーダーレスな料理を堪能できる。

 庄司シェフは東京と山形のフランス料理店で修業を積み、今は自分なりの解釈で様々な山形食材の可能性を広げている。

 例えば山形豚は庄司さん流の酢豚になるのだが、ただ再構築するのではなく、ソースには紹興酒に似た風味を持つマッシュルームの発酵エキスを使うなど、自由な感覚で料理に深みを出す。

 また、1コースで2品出されるデザートにも定評があり、最後はリングケースに入ったチョコレートタルトが登場するのが定番。

 照明やBGMもデザートのクライマックスに向けて調整し、本物の指輪を添えてプロポーズし、成功したカップルがオープン以来6組もいるという。これからの山形キュイジーヌを背負う才能に違いない。

Nibbles(ニブルス)

所在地 山形市七日町2-7-15
電話番号 080-3199-7030
営業時間 12:00~、18:00~
定休日 不定休
※昼夜とも完全予約制

文=CREA編集部
撮影=長谷川 潤