驚くほど「レストラン」が多い山形県。そんな山形県の“ハレの日の食”を堪能できる山形キュイジーヌの名店7軒をご紹介。
山形でフレンチを食べる喜びを教えてくれる
◆RESTAURANT NICO(レストラン ニコ)
普通の住宅も多い街中にある三角屋根の一軒家。
温かみのある空間で繰り出されるのは、クラシックな一面と、一方で新たな息吹、そして地元食材への敬意だ。
オーナーシェフの太田舟二さんは、祖父・父親もフランス料理人というサラブレッド。父親は酒田フレンチを根付かせた「ル・ポットフー」の太田政宏シェフだ。
彼は酒田にフレンチや映画館を作った佐藤久一氏の右腕で、そのパイオニアスピリットはここに受け継がれている。
例えば上の、黒とグリーンが美しい苔庭のような料理。真っ黒なコロッケの中は地元の黒バイ貝とキノコで、サクッとナイフを入れた瞬間、素材の香りに圧倒される。
パセリソースと一緒に口に運べば、思い起こすのはフランス伝統のエスカルゴ料理。
最初の視覚的インパクトから、時間を追って様々な仕掛けがある。店名通り、思わずにっこり。
このワクワク感こそ、特別な日のご馳走だ。山形でフランス料理を食べる意味をしみじみと考えさせてくれる。
RESTAURANT NICO(レストラン ニコ)
所在地 山形県酒田市亀ヶ崎3-7-2
電話番号 0234-28-9777
営業時間 11:00~14:30(13:30 L.O.)、17:30~21:30(20:30 L.O.)
定休日 月曜 ※昼夜とも完全予約制
http://nico-sakata.com/
文=CREA編集部
撮影=長谷川 潤