五感を使って楽しみたい心が和むレストラン

◆AKIYAMA(アキヤマ)

 目の錯覚を起こしそうなユニークな建物に、暖簾のかかったアプローチ。秋山徹シェフはこのアプローチをとても大切にしている。

 レストランに入るという気分を盛り上げ、食事が終わってから日常に戻るまでの時間に余韻を持たせるひと呼吸があるからだ。

 中に入れば、高い天井と木、漆喰を使った、邸宅のリビングのように心地よい空間。

 コースのスタートは“コンソメロワイヤル”で、これは食べてみるとまるで茶碗蒸し! 液体と固体の境界ギリギリの滑らかさで、とろりとした餡はナメコを細かく刻んだものだ。

 秋は松茸など具材は変わるが、暑い時季でもこのスタートは変わらず、食事の始まりにお腹をポカポカと温めてくれるとても優しい仕掛け。

 写真にはないがコースの中盤には野菜のコンソメに極細のそうめんを泳がせたスープも登場し、こちらもまた胃袋をほっとさせてくれる。

 また、器も楽しみ。福岡の上野焼や益子焼を使い、ニュアンスのある皿に素材の迫力を生かした盛り付けが映え、目を奪われる。過ごす時間が優しく、楽しいレストランだ。

AKIYAMA(アキヤマ)

所在地 山形市七日町5-6-30
電話番号 023-609-9174
営業時間 11:30~13:00 L.O.、18:00~
定休日 不定休
※昼夜とも完全予約制

文=CREA編集部
撮影=長谷川 潤