「ひたすら書いて覚えて……めっちゃ努力しました!」

――映画のタイトルにかけて、窪田さんの「最近決戦だったこと」、もしあれば教えてください。

 え、何だろう……! 戦い⁉ ……じゃあ、滝行に行ったこと!

――滝行! 初体験だったんですか?

 去年1回行ったんです。今年もやっぱり1年の終わりに行きたいなと思って、行ってきました。もともとのきっかけは、滝に打たれることは、やっぱり行(ぎょう)としてすごくいいというか、悪いものを全部取り払ってもらえるようなイメージがあったんです。去年やってみたら、すごくすっきりして気持ちよかったから、今年も行こう! と思って行ってきたんです。

――すっきりして帰ってきたんですね。でも「決戦」でこの話があがったということは……。

 いや、もう本当に、すっごい冷たくて!! いろいろやり方はあるそうなんですけど、僕が教えてもらった先生は10秒を3周するんです。もうね、頭が割れそうに痛くて(笑)。でも気持ち的にもすっとした体感があるし、終わった後すごく身体もぽっかぽかになりましたし、よかったです。

――普段からリフレッシュ法みたいなものは、結構取り入れているんですか?

 最近ちょっと走ったりもしているんですけど、汗を流すのが僕にはだいぶリフレッシュになるみたいです。身体を動かしているほうが調子はいいし、動いているほうが落ち着くんですよね。

――セリフに関しても、動きながらぶつぶつ覚えたりするタイプですか?

 そういうときもあります。けど、『決戦は日曜日』に関しては、ひたすら書いて覚えました! 役者を始めたとき、もともと書いて覚えていたんです。久々にそのやり方をやりましたね。すらすらセリフが出てこないと、この川島有美という人を止められないと思ったから。めっちゃ努力しました(笑)!

――セリフ量も膨大ですし、専門用語も多くて、書くだけでも非常に労力がいりそうです。

 本当にそうなんです。『ラジエーションハウス』も同じなんですけど、専門用語は本当に難しい。けど、とにかく台本をもらって「やらせてください」と言ったときから、覚えるスイッチは入っていました。覚悟はできていましたね。

 りえさんもセリフが膨大だったから、特に大変なシーンは、ふたりとも終わってからの解放感がすごかったです。「終わったねー!」、「ここ終わった~!」と、すごく明るくなっていました(笑)。達成感をより感じられた現場でした。

――となると、ますます多くの方に観ていただきたいですね。

 はい。「あんな宮沢さんは、この作品が初めてでは?」と言えるくらい、りえさんの新しい一面を見せてもらった気が、僕はしています。作品に関して言えば、世の中には不満とかがいっぱいあって、みんな思っているけど口にできないと思うんです。正しいことを言っている人って、最初からずっと変わらないし、それを貫き通して生きていくことはすごく大変なんですよね。

 でも、そこのまっすぐなところを体現してくれたのが、りえさんの役だったから、一番の見どころだと思います。笑える瞬間もたくさんある作品ですし、とにかくキャストの皆さんがすごかったので、巻き起こる化学反応を楽しんでほしいです。

窪田正孝(くぼた・まさたか)

1988年8月6日生まれ、神奈川県出身。代表作として、朝の連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)、同『エール』(NHK)、『デスノート(テレビドラマ)』(日本テレビ)、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ)、映画『ガチバンシリーズ』、『東京喰種トーキョーグール』など多くのドラマや映画に出演。
「東京ドラマアウォード2021」では主演男優賞を受賞するなど、目まぐるしい活躍をみせている。2022年には『劇場版 ラジエ―ションハウス』、『ある男』が公開待機中。

映画『決戦は日曜日』

事なかれ主義の議員秘書と政界に無知な熱意空回り候補者が
日本を変えるため、選挙落選を目指す⁉ 新時代のポリティカルコメディ誕生!

とある地方都市。谷村勉はこの地に強い地盤を持ち当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。秘書として経験も積み中堅となり、仕事に特別熱い思いはないが暮らしていくには満足な仕事と思っていた。ところがある日、川島が病に倒れてしまう。そんなタイミングで衆議院が解散。後継候補として白羽の矢が立ったのは、川島の娘・有美。谷村は彼女の補佐につくことになるが、自由奔放、世間知らず、だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々。でもまあ、父・川島の地盤は盤石。よほどのことがない限り当選は確実……だったのだが、政界に蔓延る古くからの慣習に納得できない有美はある行動を起こす――それは選挙に落ちること! 前代未聞の選挙戦の行方は?

脚本・監督:坂下雄一郎
出演:窪田正孝 宮沢りえ 赤楚衛二 内田慈 小市慢太郎 音尾琢真
製作:「決戦は日曜日」製作委員会
制作:パイプライン
配給:クロックワークス
©2021「決戦は日曜日」製作委員会
https://kessen-movie.com/
2022年1月7日(金)公開

2022.01.06(木)
文=赤山恭子
撮影=平松市聖
ヘアメイク=糟谷美紀
スタイリスト=菊池陽之介