◆8月以降も注目作品がいっぱい!
8月以降のラインナップも要チェック。まず8月の『大江戸りびんぐでっど』は、宮藤官九郎の作・演出による新作歌舞伎。くさや汁を浴びた死人が“ぞんび”として生き返るという衝撃的な設定で、歌舞伎座の花道をぞんびが埋め尽くした斬新なエンタテインメント作品です。
9月はさらなる進化を遂げた怪談噺の最高傑作『四谷怪談』がシネマ歌舞伎に登場。串田和美の野心的な演出に、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、中村扇雀らが集結したコクーン歌舞伎が、ドラマティックな映像作品として新たに生まれ変わりました。
10月以降も華やかさにあふれる作品が目白押し。どれも上演当時大評判になった舞台を映像化したものですから、それぞれに異なった魅力を発見することができるでしょう。
コロナ禍の影響もあり、歌舞伎の楽しみ方は舞台やテレビ放送だけでなく、シネマや配信など多様に広がりました。身近にある“非日常”に、ぜひトリップしてみてください。
●コラム「春風亭一之輔さんが語る歌舞伎の魅力」
人気落語家の春風亭一之輔さんは、忙しい寄席の合間を縫って毎月歌舞伎を観に行く歌舞伎通。「見た目の華やかさですとか、現れたときのあっと言わせるインパクトは、歌舞伎にはかなわないなと思います」とその魅力を話す一之輔さん。シネマ歌舞伎の良さを伺うと「セリフがスッと入ってきやすいし、またアングルにも工夫があって、“この顔が見たかった”という表情をリアルに見られて面白いですよね」と分析。一足先に鑑賞した新作シネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網』を振り返り、「勘三郎さんや玉三郎さんが現れただけでお客さんがウキウキしたのが、シネマ歌舞伎の画面越しにもわかりました。」と笑顔を見せました。
2021年の上映予定作品のうち、気になっている演目はキャスティングの豪華な『籠釣瓶花街酔醒』や舞台未見の『大江戸りびんぐでっど』。「今年の上映ラインナップには無いですが、落語家としては『人情噺文七元結』や『らくだ』も気になります。特にシネマ歌舞伎になった、中村勘三郎さん、坂東三津五郎さんの『らくだ』は贅沢。あとは『人情噺文七元結』のおかみさん役は落語でもとても難しい役なので、先代の中村芝翫さんが演じられているのは観てみたいですね」と、落語家ならではの目線も印象的でした。
「月イチ歌舞伎」2021
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/tsukiichi/index.html
●シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』追加上映が決定!
東劇:7月16日(金)~7月29日(木)
MOVIX亀有、MOVIX昭島、109シネマズ二子玉川、なんばパークスシネマ、109シネマズ箕面、MOVIX八尾、MOVIX堺:7月16日(金)~7月22日(木)
2021.06.11(金)
文=CREA編集部