日々のなかに宿る 小さな幸せ

『サキの忘れ物』

 本を最後まで読み通したことのない主人公・千春が、バイト先で客が忘れていった本を読もうとすることから人生が動き出す、表題作の「サキの忘れ物」。

 12時間並び続ける「行列」。ほか全9篇を収録。ささいな日常が愛おしくなる短篇集。

『サキの忘れ物』

津村記久子
新潮社 1,400円

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CREA 2020年9・10月合併号
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