「潜伏キリシタン」と
「かくれキリシタン」
続いて訪れたのは、堂崎教会とともに潜伏キリシタンの歴史を刻む楠原教会。こちらもレンガ造りのゴシック様式の教会ですが、屋根だけは瓦で日本風。教会の中は、ステンドグラスに光が差し込み、厳かな雰囲気に満ちていました。
ちなみに、「潜伏キリシタン」と「かくれキリシタン」という2語、混同して使われがちですが、意味は少し異なります。
「潜伏キリシタン」は、江戸幕府がキリスト教の信仰を禁じた約250年の間に潜伏して信仰を続けた人々のことを指し、「かくれキリシタン」は、禁教が解かれたあとも独自に信仰を続けている人々のこと。
江戸時代に潜伏キリシタンが多数移住した五島列島には、今もカトリック信徒数が多く、全人口の14.6パーセントを占めます。これは、日本のカトリック信徒の割合である0.3パーセントに比べると、格段に高い数字(「五島市教会巡りハンドブック」より)。
こちらの楠原教会では現役でミサが行われています。はるか昔、受難の日々を送りながらも信仰を諦めなかった人々、そして今も信仰を続ける人々に思いを馳せながら、観光してみてはいかがでしょう。
楠原教会
所在地 長崎県五島市岐宿町楠原736番地3
2019.09.20(金)
文=CREA WEB編集部