「モノがあるとモノに
 追いかけられます」

 着飾っても甲斐がないし、光りものも興味がない。それより住むところを気持ちよくしたいなあって。

 若い頃は安物買いの銭失いだったんですよ。でも、モノがあるとモノに追いかけられます。持たなければどれだけ頭がスッキリするか。片づけをする時間もあっという間。

(婦人公論「50歳からの10年が人生を分けていく」2‌0‌1‌6年6月)

※本書に掲載された記事について、執筆された著作権者の連絡先などが不明のものがありました。お気づきの方は文春新書編集部までお申し出ください。

『一切なりゆき
 ~樹木希林のことば~』

著・樹木希林
本体800円+税
文春新書

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樹木希林(きき きりん)

1943年東京都生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、後に樹木希林と改名。文学座附属演劇研究所に入所後、テレビドラマ「七人の孫」で森繁久彌に才能を見出される。ドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー」などの演技で話題をさらう。出演映画はきわめて多数だが、代表作に『半落ち』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『歩いても 歩いても』『悪人』『わが母の記』『あん』『万引き家族』などがある。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫はロックミュージシャンの内田裕也、長女にエッセイストの内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘がいる。2018年9月15日に逝去、享年75。