野口整体をベースに現代人の身体に合わせた独自の整体法が、高い評判を呼んできた片山洋次郎さん。ベストセラー『骨盤にきく』から13年、女性の不調に特化した整体メソッドの集大成『女と骨盤』が誕生しました。生理、セックス、出産、更年期……女性の不調はすべて骨盤が解決します!
現在、話題を呼んでいるこの本の中から、今すぐ役立つQ&Aを特別にご紹介しましょう。
Q. 気持ちのよいセックスのために
できることは何ですか?(37歳)
思いきりゆるんで、必要なときにぎゅっとちぢむように、骨盤のコンディションを整えておくこと。そのためにも、セックス以外に何か気持ちのいい快感の体験があるといいですね。
何かを見たり、聴いたり、触れたりしたとき、ちょっとくらくらするような快感を得たことはありませんか。普段の精神状態ではないところへいく、トランスと言えるような体験をすると、骨盤はぎゅっとちぢみきって、そのあと頂点から駆け下りるようにゆるむ。短時間でこうなる場合もあります。ただし、あまりに興奮がゆきすぎてしまうと、骨盤がふわーっとゆるまないから、充足感がわきません。
脱力して、その後気分のよい状態が続くのが本当に気持ちのよい状態で、これはセックスのときも同じ。この状態を知っている(体感している)ことが、単なる興奮と、入り込むに値するものかどうかを見分けるのに役立つと思います。飢餓感があって、何かを求め、興奮するだけの回路では、興奮の先にある真の気持ちのよさに至らない。その先の本当の気持ちよさを見つけることに関しては、男より女のほうが能動的だし積極的です。「何が気持ちいいのか分からない」のは男のほうがずっと多いですね。気持ちよくなる方法のバリエーションをたくさん持つこともよいし、決め技を持っているとなおいいですね。
眠るとだれでも骨盤はゆるみますから、セックスと眠りがセットになれば、朝起きたときには骨盤がリセットされていい状態にちぢんで、ちぢむこともゆるむこともできるニュートラルでフレッシュな状態になれます。これがうまくゆけば、整体をはじめとする健康法の数々は、必要なくなるでしょう。「セックスできれいになる」というのは、そういう意味ではあながち嘘ではありません。
セックスを眠りないしは充分なリラックスの時間とセットでトータルに考えるなら、セックスは夜、寝る前がいいわけですが、朝のほうが好きだという人は、眠った後に骨盤底部がゆるんだときのほうがいい感じになりやすいのかもしれません。それはそれで良いと思います。
セックスでゆるみきったら、すぐちぢんでさっぱりとして気合が入るようなごく健全な人は、「目覚めのセックス」もアクティブな意味がありそうです。いずれにしろ自分だけでは決められませんが……。
片山洋次郎(かたやま・ようじろう)
1950年川崎市生まれ。東京大学教養学部中退。身がまま整体 気響会を主宰。「野口整体」の思想をベースに、独自の整体法を創り出す。一人ひとりの〈体癖〉を的確にとらえ、骨盤から深い呼吸を引き出すアプローチが高い効果をあげている。著書に『骨盤にきく 気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門』『身体にきく 「体癖」を活かす整体法』(ともに文春文庫)、『ユルかしこい身体になる』(集英社)、『生き抜くための整体』(河出書房新社)、『瞬間!疲れとり体操』(iBooks /公硯舎)など。
『女と骨盤』
片山洋次郎・著
本体1,300円+税 文藝春秋刊
» 立ち読み・購入はこちらから(文藝春秋BOOKSへリンク)
女性の不調は骨盤が解決!
2017.10.16(月)
構成=中山 法
イラスト=わかばやしたえこ
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