久しぶりに棘のある曲が書けた
ニューシングル「WanteD! WanteD!」
――17年1月、2ndフルアルバム『Mrs. GREEN APPLE』をリリース。自身のバンド名を付けるあたり、かなりの自信を感じましたが、今後も代表曲となるであろう「鯨の唄」を初収録するなど、心境の変化みたいなものはあったのでしょうか?
バンドを組んで4年、まだまだ「Mrs. GREEN APPLE」というバンドを自分らでも噛み砕けていないまま、爆速で進んできたところもあって、ここで一回“「Mrs. GREEN APPLE」とは何なのか? ここで何をやりたいのか?”を再確認したいということで、僕が曲を作るより先に、アルバムタイトルを決めたんです。「鯨の唄」については、15年の初ワンマンに向けて作った曲ですが、ストリングスも入っているし、今後核になるような曲になることは分かっていても、当時はその存在があまりに大きくて、曲が持っているエネルギーに負けてしまったんです。そのときのライブでもちゃんと表現できなかったし、僕自身もどう扱っていいか分からなかったんですが、ここまでバンドが成長したことで、そのエネルギーをちゃんと扱えるようになった気がしたんです。ただ、こういう壮大な曲も僕らの一面でしかないと思っているので、あえてアルバムの最後に入れるようなことは避けました。どこかこの曲に頼りたくはなかったんです。
――8月30日リリースのニューシングル「WanteD! WanteD!」はドラマ「僕たちがやりました」のオープニングテーマに。C/Wの「On My MiND」もアニメ「ナナマル サンバツ」のオープニングテーマになっています。
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「WanteD! WanteD!」は、最初ドラマのプロデューサーさんとお話しさせていただいて、原作を読ませてもらったら、9巻を一気に読んでしまうぐらい面白かったんです。そうやって、自分が面白いと没頭した感覚をエネルギーとして曲に落とし込みたいという気持ちと、最近の「Mrs. GREEN APPLE」=ポップで明るいイメージを打破してシニカルに楽しみたいという気持ちから、久々に棘のある曲を書きたいと思いました。「On My MiND」は、クイズをテーマにした高校生が主人公の原作で、個性豊かなキャラクターとストーリーが爆速で進んでいくお話だったこともあり、僕らの曲が合うのかなと思いながら曲作りをしていきました。実際にTVで放送されると、地元の友だちから連絡をもらったりして素直に嬉しいです。自分が書いた曲がTVから流れてくるという概念がなくて、何が起きているのか分からなくなるんです。だから、第三者から「見たよ」と言われて、初めて実感できるんですよ。
2017.09.01(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘