パンだけじゃなく、コーヒーにもこだわりが

焙煎機の前で。杉窪ファンにはたまらない光景!?

 ところで今回、杉窪氏は新たな試みをしています。それがコーヒー。

 カウンターのなかには、フジローヤルの焙煎機があり、午前中は、杉窪氏が豆の選別や焙煎を行う姿が見られる場合も。

 コーヒー豆は、主にエチオピアのオーガニックのものを使用。この豆の仕入れが遅れたために、オープンが遅れてしまったというエピソードがあるくらい、コーヒーに力を入れています。

 ハンドドリップでいれるコーヒーは女性らしい華やかなブレンドの「15℃」(550円)、男性的な味わいが特徴の「365日」(450円)をはじめとする6種類。スレーヤーというマシンで入れるエスプレッソ5種もおすすめ。

 同じ11時~19時にいただけるデザートとコーヒーで、くつろぎの時間をもつのも幸せですよ。「バナナブレッド」(380円)には+100円で生クリームが付けられるのですが、クリームは、コクはあるが重たくない九州の牛乳のものを選び、泡立て方もゆる~くゆる~く。口どけと香りにこだわった生クリームとなっています、これ、絶対付けるべき!

バナナブレッドのみなら、テイクアウトで購入も可能。

こだわりのつまみを揃えたディナータイム

 そして、17時~23時はディナータイム。自然派ワイン(770円~)を中心に、日本酒(560円~)など、厳選したお酒をバイ・ザ・グラスで楽しむことができます。

 単に「お酒が飲めるベーカリーカフェ」じゃないのが15℃。スタッフは、元バーテンダー、バリスタやソムリエなど、食のスペシャリスト揃い。カウンターでおすすめを聞きながら安心して楽しめるというわけ。

 それらに合うフードも充実。杉窪氏のアイデアを具現化するのは、イタリアンやフレンチで修行を積んだシェフたち。

いろいろピクルスとはちみつヨーグルト(650円)、リエット きんかんとフレッシュハーブ(800円)を、コートデュゴール・オピデュム1,155円(グラス)とともに。

 アミューズや前菜を皮切りに、フリットやパテ、テリーヌといったワインが止まらないおつまみ系、サラダ系、メインディッシュと続きます。

 今は25種ほどですが、将来的にはもっと増やすそう。メインディッシュから「タヴォロッツァ」(1,200円)をお願いしました。

 トマトソース、パスタ、チーズが三位一体となった軽めのラザニア。なんと、パスタも自家製。「だって、粉屋ですから(笑)」。

 そうだった! ソースがおいしいから、パンが欲しくなるなぁと思っていたら、「+300円でパンを付けられますよ。4種類あって、バケットかソンプルサン、ライ麦の新作パン2種から選べます」とのこと。まあなんと、かゆいところに手の届く良店ではありませんか。

タヴォロッツァ。軽めに仕上げる秘訣はサワークリームとビネガー。ほんのりペッパーを感じます。

 食事を楽しんだら、帰る前にテイクアウトのアイテムをちらっと物色。

ショーケースで一段と光輝くこちらは、事前オーダーのバースデイケーキ。

 4号サイズ(直径12センチ)で2,800円~と、価格も魅力的。しかもこの生クリーム、さきほどバナナブレッドで登場した「絶対付けるべき」なアレ!

 ……おっと、興奮し過ぎてうっかり聞き忘れるところでした。15℃ってどんな意味ですか?

 「15℃は地球の平均気温。世界にはさまざまな人がいるという多様性、地球はひとつという意味を表しました」

 なんとステキな杉窪イズム。彼からのメッセージを、おいしいひと皿、香り高い一杯から受け止めに来てみませんか?

(本文内の価格は税別)

15℃(ジュウゴド)
所在地 東京都渋谷区富ヶ谷1-2-8
電話番号 03-6407-0942
営業時間 7:00~23:00(フードL.O. 22:00、ドリンクL.O. 22:30)
定休日 無休
予算 朝食 700円~、ランチ 1,200円~、ディナー 2,000円~、アラカルトあり
[2016年3月訪問]

Keiko Spice(けいこ すぱいす)
東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

Column

新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り

ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!

2016.04.20(水)
文・撮影=Keiko Spice