宮沢氷魚さんとの共演が、感覚を呼び覚ましてくれた
――共演のみなさんとも、約1年ぶりの再会ですね。
じつはこのドラマの撮影直前まで、羽白司役の宮沢(氷魚)さんとは別のドラマでご一緒していたんです。サスペンスドラマで、役柄の関係性もこのドラマとは真逆だったので、宮沢さんにお会いした時は、一瞬脳内でバグが発生しました(笑)。
でも一緒にお芝居をしていると、やっぱりホッとする「司さん」でしかない。同じ宮沢さんなのに、受ける印象がこれほど違うのはなぜだろう、と不思議な気がしました。
――「麦巻さとこ」の役にはすんなり入れましたか。
正直、すぐにさとこにはなれませんでした。むしろ、再びさとこを演じることに、少し不安がありました。
クランクインは団地の中をさとこが歩く、せりふのないシーンでしたが、歩き方やテンポがうまく取り戻せないところがあって……。「せりふがなくてよかった」と思っていました。
――どうやって、「さとこ」を取り戻したのですか?
宮沢さんと一緒にお芝居をした時に、パチンときたんです。センタリングしてもらったような気がして、「あ、さとこに戻れた」と感じました。司さんと一緒にいることで、「さとこって、この温度感だったな」というのを思い出せた気がします。
――ドラマのなかでさとこを支える司が、さとこを演じる桜井さんにとっても支えになったのですね。
原作の司の魅力に宮沢さんのやわらかさや繊細さが加わっていて、沈黙ですら心地よく感じさせてくれるんです。それが司というキャラクターの魅力でもありますし、実際にその雰囲気を生み出せる宮沢さんの力もとても大きいと感じています。
毎回「ああ、本当に司さんだ」と思いながらご一緒させていただいていました。
