酸ヶ湯(すかゆ)温泉(青森県)

 八甲田連峰の西麓、標高925mの高地に酸ヶ湯温泉はある。大自然に湯煙を上げる名泉は江戸時代より知られ、1954年には国民保養温泉地第一号に指定された。今でも湯治場の風情を保ち、効能豊かな酸性硫黄泉を掛け流す。名物は混浴大浴場「ヒバ千人風呂」。4つの異なる源泉の湯で湯船を満たす。

 小佐野氏は日本古来の温泉の在り方を見るようだと話す。「地場の人たちにとって温泉は共有財産。日本の混浴文化も残り、みんなが有り難い薬効をもたらすお風呂に和気藹々と集まり、お湯を分け合っている。温泉の力を確かに感じます」。

泉天空の湯(東京都)

 海に面した東京でも塩分などを含み、薬理効果に優れた温泉は湧く。小佐野氏によれば「東京は成分の濃い温泉が多く、古代の海藻成分を含んだ黒湯が湧出。ヨウ素を含む湯は全国でも珍しい」。

 2020年、東京湾岸エリアにオープンしたスパ施設「泉天空の湯」にも、天然温泉を張る露天風呂が設けられている。地下1500mから湧く湯は琥珀色。浸透圧が高い高張性のため肌に成分が行き渡りやすく、塩分濃度の高さから保湿性も際立つ。海の賜物でもある温泉の力は計り知れない。