“稲垣吾郎”役を演じて感じたこと
――吾郎さんはこの映画の“恋愛パート”担当というか、ファーストサマーウイカさんとものすごい大接近……!
なんか不思議ですよね。番組でMCを一緒にやっていてよく知っているのに、いきなりですから(笑)。共演してみて、さっきも言いましたが、普段とは違った俳優の一面が見られて、すごく面白かったです。
――今回、吾郎さんは稲垣吾郎役を演じていますね。草彅さんも、香取さんも、ご自身という設定です。そんな不思議な状況下で、特に吾郎さんは魚屋になったり、家庭教師にもなったりもします。
自分役を演じるっていうのが、不思議な感覚でしたね。山内ケンジ監督が捉えた“パブリックイメージとしての稲垣吾郎”を演じているから、本来の自分とは少し違うけれど、もちろん自分自身の要素も含まれている。
だからこそ、どこか客観的な視点で自分を俯瞰しながら、「世の中からはこう見られているんだな」と感じることができて。その感覚を面白がりながら演じていました。
――メタな構造ですね。
そう、メタですね。かなり複雑な構造ですけど、演じていて面白かったです。稲垣吾郎ってこう思われているから、こうやって演じた方がいいのかなとか、そういう部分もあったりして。でも誰しも家から出たら、ある程度は肩書きとかに合わせて自分を演じてると思うんです。
脚本を最初に読んだ時は、ちょっと内容がよくわからなかったんですが(笑)。山内さんは、3人をそのまま映画にするとドキュメンタリーみたいに見えて違和感があると思ったらしく、抽象的な話にしたみたいです。
僕自身はまるで香取くんの絵画の世界の中に迷い込んだような感じがしました。香取くんのアート作品の世界観と、不思議な“山内ワールド”は、すごく親和性がある気がするんです。ちょっとポップでシュールな雰囲気というのかな。本当にそのふたりの世界に迷い込んでいるみたいな感覚でしたね。『クソ野郎と美しき世界』のときも、似たような体感がありました。
ただ、いまだにバナナの意味はわからない……(笑)。
