CREA2026年夏号の「やっぱり、ハワイ!」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。
ハワイ王国時代に想いを馳せる。 伝説の王妃のドレス
19世紀後半、太平洋の島国として独自の文化と外交を築いていたハワイ王国。その華やかな時代を象徴する女性が、カピオラニ王妃である。
夫は「陽気な王」と呼ばれたカラカウア王。当時、欧米列強の影響が強まるなかで、王はハワイの文化と独立を守ろうと、フラや伝統文化の復興、そして国際外交に力を注いだ。その隣で王妃は、静かな品格をたたえながら王国のシンボルとして、人々に敬愛されていた。
彼女はとりわけ医療や福祉の分野で尽力し、女性や子どものための医療支援に貢献した人物として知られる。一方で、王国を代表しての外交の場では、南国の王妃らしい優雅さで人々の記憶に刻まれている。
その姿が最も印象的に語られるのが、1887年、ロンドンで行われたヴィクトリア女王の即位50周年祝賀式典に出席したときの装いだ。
世界各国の王侯が集う華やかな宮廷の中で王妃が纏っていたのは、クジャクの羽根をあしらった優美なイブニングドレス。深い青と緑を基調にした色彩の生地に広がる羽根のモチーフは南国の気品を漂わせ、太平洋の小さな王国から訪れた王妃の存在感を際立たせた。
遠い島国の王妃がヨーロッパ王室の祝典に参列する姿は、ハワイ王国が独立国家として国際社会に存在していたことを示す光景でもあった。
CREA 2026年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
