美しい輝きに、ほっとしたり、励まされたり、日々の生活の中で、心の奥にそっと寄り添ってくれるジュエリー。頑張る自分へのご褒美にしたい輝きを、ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんがナビゲート。


HERMÈS

「ノジカ」ブレスレット

その名前は海に由来し、エルメスの原点である乗馬の世界から着想を得てデザインされた「ノジカ」。1971年にジャン=ルイ・デュマが生み出したこのコレクションは、メゾンにとって普遍的な二つのテーマを融合させたもの。銜(くつわ)モチーフを重ね合わせたアーティスティックな意匠は、まさに“身につけるオブジェ”のよう。ブレスレット(Sil)700,700円(予定価格)/エルメス(エルメスジャポン)
その名前は海に由来し、エルメスの原点である乗馬の世界から着想を得てデザインされた「ノジカ」。1971年にジャン=ルイ・デュマが生み出したこのコレクションは、メゾンにとって普遍的な二つのテーマを融合させたもの。銜(くつわ)モチーフを重ね合わせたアーティスティックな意匠は、まさに“身につけるオブジェ”のよう。ブレスレット(Sil)700,700円(予定価格)/エルメス(エルメスジャポン)

 毎年、夏に大活躍するジュエリーの筆頭といえば、大ぶりのシルバーブレスレット。シルバーのソリッドな光が肌を照らしてくれると同時に、「視線の置き所」にもなり、ぼやけがちな輪郭を引き締めてくれる効果がある、私自身も大好きなアイテムです。

 シルバーというと、ゴールドやプラチナに比べてカジュアルな素材というイメージがありますが、エルメスが手がけるシルバージュエリーは「シルバー=カジュアル」の概念を覆す別格の存在。「スターリングシルバー」と呼ばれる最高純度のシルバーを使用し、熟練の職人が手作業で磨き込んだクリアな光を放つブレスレットは、Tシャツからドレスアップまで、幅広く映えるジュエリーだと思います。

 今回ご紹介する「ノジカ」のブレスレットは、銜(くつわ)モチーフを幾重にも重ね合わせたデザインがエルメスを語る逸品。ボリュームはありますが、素材の隙間から肌が透けるデザインなので、つけ心地は軽やか。身につける人の知性やセンス、しなやかな強さを代弁してくれるアーティスティックな意匠は、まさにエルメスならではだと思います。

 ちょっと元気がないなと思うような日でも、これをつけると自然と気持ちが上向き、今日も頑張ろうと思える……。洒落て見えるだけでなく、そんなふうにポジティブな“気”をも運んできてくれそうですよね。シンプルなTシャツや白シャツはもちろん、レザーのようなちょっとハードな服に合わせても、輝き自体に服に負けない強さがあるので格好いいと思います。

 人の記憶に残るインパクトあるブレスレットを、マイ・シグネチャーとしてどんな服の時にもつけている、なんていうのも素敵ですね。これひとつで、夏のお洒落が変わる―そう断言できるくらい、手に入れる価値のあるジュエリーだと思います。

エルメスジャポン

電話番号 03-3569-3300

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を生かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの俳優からも支持が厚い。著書に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)。
Instagram @jewelryconcierge_m

*記事中のSil=シルバーを表します。

CREA 2026年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。