「誰にも見せない◯◯」シリーズは他にもある
改めて考えると、私には他にも「誰にも見せない◯◯」シリーズがある。
誰にも見せない文(日記)を筆頭に、誰にも見せないネイル(足の爪)、誰にも見せない雑貨(サンリオやセーラームーンのグッズ集め)、誰にも聞かせない歌(一人カラオケ)などなど。
ここ数年はそこに、「誰にも嗅がせない香水」シリーズも追加された。私は香水が好きで何本か集めているのだが、それらをつけて人に会うことはない。つけるのは、一人で家にいる時だけ。そう言うと友達に「意味なくない?」とびっくりされたのだが、確かに意味はないかもしれない。
誰にも会わない日は、どんな香りを纏おうかとウキウキする。自分の気分や調子と話し合い、コレクションから選び出す。TPOや会う相手の趣味、似合うかどうか、つけすぎかどうかなんてことは、考えなくていい。ゴージャスな薔薇の香り、心静まる白檀の香り、フレッシュなオレンジの香り、とことん甘いバニラの香り……本当に自分が嗅ぎたい香りを身につけられた時、呼吸が深くなり、幸せな気持ちになる。
新しい香りに挑戦して、失敗することもよくある。でも、それすらもおもしろい。感覚を思う存分稼働させる一人遊び。その間、ささやかな自由を感じる。
文=土門蘭
