結婚のために書類を揃え……

――フランスでの結婚は、手続きがたいへんだそうですが、どんな結婚式でしたか?

 まずは、手続きに必要な膨大な書類をそろえなければなりません。審査があり、その審査を通過したあとに結婚契約の予約を市役所で取ります。予約をすると、結婚予約が市役所の掲示板に貼り出されるんです。

 結婚予定者の名前、住所が一般公開され、地域の方たち人に知らせることによって、結婚予定者が重婚者でないか、また、この結婚に異議申し立てはないかどうか、情報が公開されるのです。日本式の”極秘婚”や”電撃婚”は難しいお国柄です。

 私たちは夫の両親の住む、南仏のサン・ポール・ド・ヴァンスの市役所で結婚の手続きをしたあと、教会で式を挙げ、フランス式にディナーからブランチまで2日間にわたるパーティを海辺のレストランで行いました。

――フランス式の結婚式を終えて、いよいよフランスでの本格的な生活が始まるわけですが、国際結婚に不安や迷いはありませんでしたか。

 日本人同士でも、育った環境が違えば理解し合うのに時間がかかりますし、相手の文化を認めようと努力する国際結婚のほうが、かえって理解が深まるのではないかと感じていました。

――江里子さんの子育ては、フランスでスタート。そもそも、日本での出産経験があるわけでもないので、日仏の違いもわからず柔軟に対応できたそうですね。フランスでの出産はいかがでしたか。日本で産む選択肢もあったと思いますが。

 子どもはフランスで育てていくだろうから、日本で産むことは考えませんでしたし、余計な情報を入れたらパニックになりそうなので、育児書も読みませんでした。ひたすら先生とのやり取りだけで出産準備をしました。でも、大変は大変だったんですよ。夫が出張で不在が多かったので、全部1人でやらなければならない。病院で言われたフランス語の単語をカタカナで書いて、家に帰ってから辞書で調べたりしていました。でも、そういう経験をしたおかげで怖いものがなくなりましたね。

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