「もう、準備できているから」
楽しかった食事も終わり、Dさんは1年生のロッジに戻ってベッドに突っ伏しました。隣では同級生たちがまだ雑談していましたが、Dさんは彼女たちをよそに深い眠りへと落ちていったのです。
「……ねえ、Dちゃん。ちょっと起きて」
夜中、急に肩を揺さぶられて目を覚ましたDさん。声の主は3年生のI先輩でした。
「なんすか……」
「もう、準備できているから。3年生の一番大きなロッジに来て。2階建てのやつ」
そう言い残し部屋を去ったI先輩。その声色に少し厳しいものを感じたDさんは自分の知らない行事がまだあったのかと焦り、慌てて3年生のロッジに向かいました。
「失礼しま~す……」
小声で挨拶をしながらロッジに入ると、1階に10人ほどのサークル主要メンバーがすでに座っており、同級生たちやその他のメンバーは周囲の席に下を向いて静かに座っていました。
照明は可能な限り絞られ、輪の中心で上向きに置かれたスマホのライトだけが煌々と周囲を照らしていました。
「まことが入って来たときは、驚いたよね」
ああ、怪談会でもやっていたのか……そう思ったDさんは唯一空いていた1人がけの椅子にそっと座り、様子を見守ることにしました。
