Magnificent View #636
ターヌムの岩絵群(スウェーデン)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 スウェーデン南西部、ノルウェーとの国境近くにあるフィヨルド地帯には、約25キロにわたって1500カ所に岩絵が残されている。

 岩絵が描かれたのは、スカンジナビア半島にバイキングが登場するよりもはるか前の、紀元前1800年頃から紀元前400年頃。木工技術に優れ、船での移動を得意とした民族が描いたとされている。

 岩の表面に描かれているものは、動物や人間、武器、車輪付きの乗り物、船など、多種多様。ハンマーやピックのような尖った道具を使い、彫り込む深さを変えることで絵の表現に強弱を付けるなど、その芸術性の高さも評価されている。

 近年は温暖化の影響で北欧の気候が激変。岩絵の状態も年々劣化し、現在、その保護活動が続けられているという。

Column

今日の絶景

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2015.06.28(日)
文=芹澤和美