今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

干しシイタケ

マクロビ食材「乾シイタケ」の写真

 水で戻した干しシイタケはお料理に合わせた大きさにカットして具材として使用。ヘルシーなのに、ニンニクやねぎ類などと合わせるとお肉のような旨みを出してくれる食材です。また戻し汁は出汁として使用。これは、マクロビ的には、たまった動物性脂肪やコレステロールを溶かす効果があると言われています(昔から茶碗蒸しには干しシイタケが使われることからも納得ですね!)。旨みもたっぷりなので、捨てずにお料理に使うようにしましょう。使いきれずに残った戻し汁は冷凍も可、またお味噌汁などの出汁にプラスしても◎。

味噌

マクロビオテック食材「味噌」の写真

「味噌」は大豆と麹と塩で作られる発酵食品です。麹の種類によって豆味噌、麦味噌、米味噌と3種類に大別されます。使われる麹によって甘味が変わるのと、塩分濃度も商品によって変わるので味付けに使用する際は少量から様子を見ながら加えるようにすると良いでしょう。

 現在は速醸法で作られるものが多く半月から2か月の時間で大量生産されていますが、十分な発酵がなされていないために化学調味料や保存料、甘味料などを使用して品質を補っています。それに対して天然醸造の味噌はおよそ1年の時間をかけて発酵・熟成させて作ります。長い時間をかけることによって豊かな風味と旨みが醸し出され栄養価も高くなります。味噌選びはシンプルな材料で作られた昔ながらの天然醸造のものがおすすめです。

酒粕

マクロビ食材「酒粕」の写真

 酒粕には酵母由来のビタミンやミネラルが豊富であることや、酵母菌により導かれたアミノ酸の生理活性により様々な生活習慣病予防や、老化防止・美白美肌など美容効果もあるとされる優秀な食材です。オールベジで作るお料理は総じてあっさりと仕上がるので、コク出しに使用して味に深みを与えたり、チーズのような香り付けをしたりと様々に活用できます。板状のもの、そぼろ状のもの、練り状(クリーム状)のものと色々ありますが、私が愛用しているものは練りタイプ。スプーンで計量しやすく溶けやすいのでおすすめです。

リンゴジュース

 甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものをいただくと、消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。

 マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と堅い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう……陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えていただくようにすると良いでしょう。

エキストラバージンオリーブオイル

マクロビオテック食材「エキストラバージンオリーブオイル」の写真

 エキストラバージンオリーブオイルとはオリーブの果実を搾ってろ過しただけの、化学的処理を一切行わないバージンオイルの最高級品です。安価なオリーブオイルは搾りかすからさらに抽出するために溶剤を使い、バージンオイルを混ぜて酸度の調整をしたものであり、その品質には歴然の差があります。

 良質のバージンオイルにはコレステロールを下げるオレイン酸が豊富なほか、カルシウム、鉄分、ポリフェノール、ビタミン類を含むので美容・健康に効果があるとされています。しかし残念なことに日本においてはオリーブオイルの名称に「エキストラ」をつける規制がないことから、商品の内容が偽装されたものも出回っているのが現状です。安心・安全を意識するのであれば商品選びは慎重に、信頼のできるブランドの良質なものを選ぶようにすると良いでしょう。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2015.01.23(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平