北の最果てを訪ね、海から陸へ旅を繋ぐ

 翌朝、稚内に入港。寄港地観光ツアーでノシャップ岬や宗谷岬を巡る。天候にも恵まれ、約40キロメートル彼方のサハリン(樺太)の島影を望むことができた。ツアーで知り合ったご婦人は「飛鳥Ⅱ」への乗船50回以上。料理の美味しさ、露天風呂、充実したエンターテインメント、そして細やかなホスピタリティが、何度も乗りたくなる理由だという。

 この日の夕食は北海道産の米や魚介、夕張メロンを味わう和食コース。食後はショーやクラブでのダンスタイム、バーでカクテルを味わうなど、船内の夜を思い思いに過ごせる。眠っている間に次の港へ運んでくれるのも、クルーズならではの利便性だ。

 翌日は留萌に入港。増毛町を散策し、日本最北の酒蔵で地酒を味わう。夕刻には夕陽の名所として知られる留萌の海岸線が茜色に染まる中、出港。クルーズ最後の夜は、メインバーでピアノの生演奏に耳を傾けながら、旅の名残を惜しんだ。

 翌朝、あっという間の3泊4日の船旅を終え、「飛鳥Ⅱ」は小樽へ。下船後は陸路で北広島の「エスコンフィールドHOKKAIDO」に立ち寄った。フィールドを一望するサウナと、北海道のスウィーツを堪能。野球観戦にとどまらない、ここでの愉しみだ。

 旅の締めくくりは新千歳空港で。国際線旅客ターミナルビルの「ポルトムインターナショナル北海道」は、北海道の文化やアートに触れられるラグジュアリーホテル。4階の「ザ・ショップ」には美術品や個性豊かな作家の品が並び、お土産として選ぶのも楽しい。同フロアの「カフェ・スカイライブラリー」では、美術や旅の本を手に、出発までの時間をゆったり過ごせた。

 空から北海道へ入り、海路でその大地を巡り、再び空へ。移動さえも旅として楽しむフライ&クルーズは、北海道をいつもと違う角度から味わう、軽やかで贅沢な旅のスタイルだ。

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CREA Traveller 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。