◆4位『ドラゴンの胃でおやすみ』 西村隆 作画・大橋ユウ 原作/講談社

あらすじ

騎士団長という地位はみんなの憧れだが、その実態は過酷すぎる中間管理職。ある日、心身ともに疲弊しながら職務に当たった女騎士団長・リンナは巨大なドラゴンに食べられてしまう。行き着いたのはドラゴンの胃の中。そこでマイペースに暮らす男に手厚くもてなされ、久しぶりに心からの安らぎを得る。本当に大切なものを問う癒し系ファンタジー。

――4位『ドラゴンの胃でおやすみ』は異世界ものかと思いきや、変化球。

宇垣 舞台は中世なんですけど、ブラック企業の中間管理職のリアリティに絶句。心身ともに疲れきった騎士団長の女の子がドラゴンに食べられちゃうんだけど、胃の中には先住民の男がいて、じつに居心地良く暮らしている。

江上 胃の中に落ちてくるものを先住民の男性がうまいこと活用して暮らしているのがおもしろいんですよね。落ちてきた船で風呂を作ったり、魔術を使って胃液を加工して温泉にするとか。

宇垣 降ってわいたスローライフ描写が温かいのなんのって。ヒロインがじんわり人間の尊厳を取り戻していく様子に、癒されます。

江上 読んでいるこちらもほっとした気持ちになれるマンガですね。

宇垣 ね。みんな、休もう!

つづ井 異世界ものはあまり読まないので構えていたのですが、普遍的な日常にもつながる作品だと思います。「休むことに一生懸命になっていいんだ」という気持ちになる。何より主人公の緊張がほどかれていく様子が丁寧に描写されていて、そこが心地良い。

宇垣 それでいて、このままスローライフ満喫では終わらなさそうなんです。外の世界がきな臭くなっていく様子も描かれているので、この先も楽しみ。

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CREA 2026年秋号
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