日没後の掘割を渡る「妖怪舟」で異界へと没入する
三柱神社を楽しんだあとは、欄干橋下の船着場から舟に乗り、夜の掘割を巡りながら御花へ向かうことができるとか。これも水郷のまちならではの優雅な趣向です。
さらに御花の宿泊者向けには、貸し切りの「妖怪舟」オプションも用意されていました。夜の掘割をゆらゆらと進む妖怪舟からの眺めは、妖怪提灯に彩られた幻想的な世界。水音と、舟を進める竿の音、時折「ギャーッ!」と響き渡る白鷺や青鷺の鳴き声をバックに、船頭さんの語りが始まります。
掘割の一部は柳川城のお堀でもあり、戦国時代には凄惨な戦も繰り広げられた場所。成仏できない武士の魂が、赤い骸骨となってさまよっているとかいないとか。
そんな話も交えた船頭さんの語りにどんどん引き込まれていきます。御花の池庭・松濤園の裏手に差し掛かると、「このあたりのお堀にも、江戸時代のはじめごろには河童が住んでいたと伝えられます。武家屋敷に上がり込んでイタズラもよくしたそうで……」とさりげなくもの語りが始まり、気分は当時の暗闇へとタイムトリップ。舟を降りるまで、水郷の怪異譚にどっぷりと浸りました。
柳川のまちに滲み出す「奇怪夜行」
今年の「奇怪夜行」がこれまでと大きく違うのは、その気配が御花の敷地の外にまで広がっていたところです。
柳川市観光協会も連動企画「妖しい夜巡り2026」を展開し、「奇怪夜行」のサテライト会場となる三柱神社や北原白秋生家での特別な展示をはじめ、夜の掘割を楽しむ舟の運航、ワークショップや飲食が楽しめる「妖しい夜会」など、夏の夜を満喫できるコンテンツが用意されました。
御花から一歩出れば、ほんのりと灯る提灯が近隣エリアの路地や川沿いを照らし、普段は静かな夜のまちが異空間へと変貌。妖怪を「見にいく」のではなく、妖怪が棲むまちに「迷い込む」ような一夜を楽しむことができました。御花を含むこの“異界”は、来年もまた出現する予定とのこと。楽しみに待つことにいたしましょう。
柳川藩主立花邸 御花
所在地 福岡県柳川市新外町1番地
電話番号 0120-336-092
アクセス 西鉄天神大牟田線「柳川駅」から西鉄バス乗車、「御花前」バス停から徒歩約3分。佐賀空港から車で約20分
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