この映画が成功したのは、妻であるイ・ミンジョンさんのおかげ!?
――妻役を演じたソン・イェジンさんは、イ・ビョンホンさんの妻であるイ・ミンジョンさんと長年の親友で、家族ぐるみで親交があるそうですね。その関係性は演技にも作用しましたか?
これまで共演したことはなかったのですが、驚くほど息が合いました。あまりに親しいと逆に照れくさくなってしまうこともありますし、まったく知らない相手だと打ち解けるまでに時間がかかる。その意味で、僕とソン・イェジンさんの距離感はとても絶妙だったと思います。
この映画への出演が決まったとき、監督から「妻役はソン・イェジンさんで考えている」と聞いたんです。それで妻にも「こういう作品を撮ることになったんだけど、相手役にソン・イェジンさんの名前が挙がっているらしい」と話したところ、妻がソン・イェジンさんに「こんなお話があるみたいだけど、引き受けてみたら?」と連絡したらしくて。だから妻は、この作品の成功には自分の功績もあると思っているみたいなんです。僕はまったくそうは思っていませんが(笑)。
大スターも感じる、AIに仕事を奪われる時代の不安
――本作はAIに仕事を奪われてしまうという、誰もが直面しうる問題を描いています。俳優として活躍されるイ・ビョンホンさんも仕事を奪われる心配をしたことがありますか?
もちろん、あります。すでにSNSなどでは、実際に撮影していないのにもかかわらず、まるで本人が演じているかのような映像が出回っています。私自身も、自分が出演していない作品に出ているようにつくられた映像を見たことがあります。最初にそういうものを見かけたときは「すごい技術だな」と感心してしまったのですが、最近はその段階を超えて「この先、自分たちの仕事はどうなってしまうのだろうか」と考えるようになり、じわじわと不安を感じています。
AIの進化は、私たちの想像をどんどん超えていきますよね。本来であれば、その発展をある程度コントロールするための法律や制度も整えていかなければならないのに、AIの進歩のスピードがあまりにも速くて、それがなかなか追いつかない。そこに恐ろしさを感じている人も多いような気がします。
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イ・ビョンホン
1970年生まれ、韓国、ソウル出身。空前のヒットを記録した「イカゲーム」シリーズ(21・24・25)をはじめ、『インサイダーズ/内部者たち』(15)、『MASTER/マスター』(16)、『白頭山大噴火』(19)、『KCIA 南山の部長たち』(20)などで評論家と観客を魅了し、名実共に韓国を代表する俳優。
『しあわせな選択』
監督・脚本:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン
配給:キノフィルムズ
PGー12
TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開中
