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実際の僕だったら、美愛にはいろいろ言っちゃうかもです(笑)

――本格的な連続ドラマへの挑戦は2作目となりました。クランクインの前は、どんな心境でしたか?

 最初に台本をいただいたとき、セリフの量の多さに驚きました。超プレッシャーを感じましたね。台本のシーンごとに付箋を貼っていたんですけど、もう付箋だらけ(笑)。「これを撮影していくのか…!」とおっかなびっくりの気持ちでした。

――付箋には書き込みなどをされていたんですか?

 パッと見たときにわかるように、その撮影の日付を書いていました。話数ごとに色を変えて「何話は何日に撮影がある」とわかるようにして、撮影が終わったら付箋を外していくんです。やっていくにつれて、「あんなにあった付箋がもうこんなになくなっちゃった…」となって。達成感もありましたが、最後のほうは、寂しさも感じてしまいましたね。

――それだけやりきった証かと思います。熊坂監督とは、現場でコミュニケーションを取られましたか?

 ドラマの現場の経験が2作目なので、まだまだ基本からわからないことがたくさんあって。台本読みの前に一度、熊坂監督と1対1でお話する機会があり、そのときに「不安なところはない?」、「何か分からないことがあったら聞いてね」と、監督がすごく優しくいろいろと教えてくれたことがありがたかったですね。

 キャラクターについて言うと、新平は自由な人なので、熊坂監督も「自由に、大胆に」という言葉をたくさんおっしゃっていました。新平にとってすごくしっくりくる言葉だったので、「自由に、大胆に」を意識することで肩の力を抜いてお芝居できたように思います。

――中でも印象的だったエピソードはありますか?

 撮影しているときに、監督が考えていた芝居と僕の芝居に相違が生まれたことがあったんです。監督は「そうじゃないよ」と否定するのではなく、「これはどういうことだったの? どういう気持ちでお芝居をしたの?」とまず最初に僕の思いを聞いてくださったんです。最終的にしっかりと対話した上で「そういう意図だったんだ。それならそうしよう」と受け入れてくれて。一緒に作品を作るってこういうことなんだと感じました。

 熊坂監督の演出の姿勢が、経験のない僕にとってきちんと芝居とは何かを考える機会にもなりましたし、後々褒めていただいたときにすごく自信にもなりました。

――三人夫婦の紅一点・美愛も濃いキャラクターです。鈴木さんから見て、結婚や恋愛相手としてどう思いますか?

 新平としてじゃなくて僕として、ですよね(笑)? 美愛ちゃんの性格はとてもいいと思うんです。素敵な女性だなと思いますが、直してほしいところは…たくさんあるかな(笑)。新平と美愛ちゃんが一緒に住んでいる部屋のシーンがあるんですけど、とにかく洗濯物が散らばっているんですね。新平のものかなと思って見たら、どっちかというと、美愛ちゃんの洗濯物のほうが散らかってて(笑)。中には下着とかもあったから、これから先もし結婚するとかになったら、どうなっていくんだろう…と思いました。僕だったら、そこはちょっと直してもらいたいなと思っちゃうかも。

――逆に、美愛のいいところはどこでしょう?

 美愛ちゃんは絶対「どっちでもいいよ」と言わないんです。「これとこれ、どっちがいい?」と聞いたら、美愛ちゃんは絶対「こっち」と示してくれる。自分の意見をきちんと伝えられるって、すごくいいと思うんです! 素敵なところですよね。

2025.04.12(土)
文=赤山恭子
写真=鈴木七絵
メイク=大森創太(IKEDAYA TOKYO)
スタイリスト=山本隆司(style³)