いまや国民食と言われるほど、日本人の生活に根ざしたラーメン。濃厚豚骨魚介スープ、鶏白湯など、トレンドの変化はめまぐるしい。しかし、そんな今だからこそ食べたいのが昔ながらのシンプルな一杯。人々の暮らしにそっと寄り添う中華そばを探して米沢へ。
» 第1回 熟成と2回の手もみが生んだちぢれ麺 「そばの店 ひらま」
» 第2回 絶妙な味のバランスが好評の人気店 「熊文」
五十番
コク深いのに後味スッキリな老舗の一杯
創業45年の中華料理店。「帰省すると、必ずここの中華そばを食べる」というほど根強いファンも。店を切り盛りするのは、川合ナツエさんと、息子の利徳さん。ナツエさんの歯に衣着せぬトークが心地よい。
米沢ラーメンとしては少し色が濃いめの一杯は、ゲンコツ、かつお節、昆布、野菜のダシが効いたコクのあるスープと、それに負けない特注のちぢれ中細麺。丼を彩るチャーシューはもちろん、メンマも乾燥段階から手作りする。
「うちは、すべて手作り。自家製味噌など20種以上の素材をブレンドした味噌ラーメンや、焼きそばも人気だよ」(ナツエさん)
中華料理店だけあって、一品料理や定食類も充実。大勢で訪れて、あれやこれやと飲み食いしながら、最後は中華そばでしめる。地元の通をきどって、そんな使い方がこの店ではオススメだ。
五十番
所在地 山形県米沢市大町4-6-1
電話番号 0238-23-9540
営業時間 11:00~15:00、18:00~24:00
定休日 月曜日
席数 カウンター8 、テーブル16、座敷16
予算 中華そば550円
2014.05.31(土)
文=坂本 愛
撮影=新居明子