この記事の連載
円井わんと愛猫 #1
円井わんと愛猫 #2
猫と暮らす覚悟を決めた21歳の頃。朝から晩まで働いて生活費を稼ぐ!

最初は自分の生活で精一杯でした。猫と暮らすには全然お金が足りなくて。数年経って21歳になった2019年頃、知り合いから「捨て猫がいる。わんちゃん、見に来る?」と言われて行ってみたんです。そこには3姉妹の猫がいました。
すでに長女猫は引き取り手が決まっていて、次女と三女が残っていました。次女がとにかく人懐っこい子で、みんな「わあ、かわいい!」と絶賛。「すごく飼いやすい子だから」と勧められました。でも私は、私たちのことはお構いなしに柱の上で寝ていた三女にビビッときてしまって(笑)。直感で「ああ、この子だ!」とウランを引き取ることに決めました。すごく自由でいいなと思ったんです。
――運命的な出会いがあった、と。
はい。ウランと暮らすために環境を整えようと、必死で準備をしました。
まずは猫と暮らせる物件を探して引っ越すところから。猫との生活はごはん代や病院代、保険代など、お金もかかるじゃないですか。周りにも「大丈夫!?」とすごく心配されたけど、「絶対何も言わせないように頑張ろう」と思って、バイトを朝晩めちゃくちゃやりましたね。4時から次の朝の5時まで13時間労働したり(笑)。それでやっとウランを迎えることができたんです。

――猫との1対1の生活は、ご実家のときとはまた感覚が違いましたか?
違いました。とにかく不安でした。特に子猫は急に体調が悪くなるじゃないですか。一度、本のしおり紐を噛みちぎって、飲み込んで吐いたこともありました。急いで病院に連れて行って。その時は問題なくて本当にホッとしました。
――円井さんは現在27歳。長く暮らしているうちに変化もありますか?
ウランは今年6歳になるから、もう6年間一緒にいるんですね。ウランはすごく甘えん坊だし、暴れん坊だし、かわいいです。
コロナ禍で家にずっといたときには、さらに絆が深まりました。作業していてもウランが膝の上か横にずっといて。うれしい反面、逆に分離不安症になってしまわないか少し心配になったので、たまに外出するようにしていました。

外出自粛期間が明けて、私が仕事で不在になっても不安にならないようにと、2匹目を迎えたいなと考えるようになりました。そのためにも、もう少し広い家に引っ越したんです。2020年頃かな。ちょうどその時期から、保護猫活動も少しずつ始めました。2~3匹保護して、しばらく家でお世話して飼い主を見つけてお渡しするというような。そのあと少し経ってから、2匹目のルイを引き取りました。
――ルイくんに関しては、どういう出会いだったんですか?
2025.02.22(土)
文=赤山恭子
写真=円井わん