岡村ちゃんへの質問コーナー

――そして。今回のトークショーを開催するにあたり、岡村さんへの質問を募ったところ、542通! 集まりました。その中からいくつか、岡村さんに答えていただこうと思います。
岡村 いいですよ。
――では、第1問。「小説はハッピーエンドとバッドエンド、どちらが好きですか」。
岡村 どちらも好きだけど、ハッピーエンドかな。読後感がいいでしょ。足元をすくわれるみたいな終わり方はSF小説が多いのかな。「ジョニーは戦場へ行った」みたいな事かしら?
――戦争に行った主人公が無残な姿で戻ってきて、最後は死ぬことも許されないという。アメリカでは戦争が起こるたびに発禁処分になることで有名な小説ですよね。
岡村 あれは究極のバッドエンドでしょうね。
幸福になる恋愛のゴールとは?

――では第2問。これはかなり個人的なご相談ですが。「 最近娘はお付き合いしている方に結婚を匂わされては別れるを繰り返し、恋愛のゴールがわからない」とのこと。岡村さん、幸福になる恋愛のゴールってなんでしょうか。
岡村 難しいなあ。恋愛のゴールが結婚とは思わない。ただ、結婚する、あるいは同棲する、暮らす、となると、生活を一緒にするじゃないですか。長い時間一緒にいる。そうすると、いいところだけじゃなく、嫌なところが見えてくるでしょ。惚れた腫れただけじゃなく、生理的にこの人を受け入れられるのか、という部分が試される。すると、相手と息が合わないとなかなか難しいのかな。
以前、とある女性アーティストに言われてすごく印象に残っている言葉があるんです。結婚や恋愛でいちばん大事なことはなんですか、と彼女に聞いたときに、「岡村ちゃん、最後は顔よ」って。「どうしてですか?」って聞いたら、「結婚して長いこと一緒にいると、その人のいろんな面を見るじゃない。許せないこととか、すごく頭にくることとか、そういうこともたくさんある。そんなときに、最終的に許してあげられるかどうか、まあいっかと思えるかどうかは、相手の顔。この顔、やっぱり違う! と思うと許せなくなる」って。顔がハンサムだとか美人だとか、そういうことじゃなく、自分の好みの顔かどうかが重要なんだと。
――それは一理あるかもしれませんね。自分の顔に似た人を好きになるってよく言うじゃないですか。それは結局、相手のことを許すために自分と近い顔の人を選ぶのかも。
岡村 でも、自分に似てない人のほうがいいのでは? じゃあ、パートナーとものすごい喧嘩になって、許せないことがあったとして、最後の最後の最後の最後に、 顔で許せます? やっぱこの顔、好きなんだよなあ〜って。
――自分にとって心地いい存在かどうかが重要で。顔だけじゃなく、雰囲気全体が好みか好みじゃないか、はあるかもしれません。
岡村 あ、これ違う! と思ったら難しい?
――そうなのかも。
岡村 猫もね。
――猫はどんな猫でもいいですよ! 懐かない猫でも。
岡村 「猫も、杓子も。」を観ててすごく思ったんだけど、猫ってさ、おじいちゃんだろうが、子供だろうが、かっこいい人だろうが、かっこよくない人だろうが、同等に「にゃー」って言うじゃない。人類みな平等に扱ってるんだよね。
――次の質問です。「岡村ちゃんが日常で幸せだなと感じることはなんですか」。この質問はたくさんの方から寄せられました。「何を食べると幸せな気持ちになりますか」というのもあります。
岡村 なんでもいいです、僕は。猫がかわいいとか、「富士日記」を読んでいいなあとか、食べものがおいしくて幸せだなとか。
――じゃあ、最近幸せを感じた食べものは?
岡村 昨日食べたウナギ、おいしくて幸せでした。ウナギって体にもいいじゃないですか。医食同源も考えますよ。体にもいいものを食べることができれば幸せだなって。
生クリームたっぷりのパンケーキを手作り

――では続きまして。「岡村さんは、相手に何かをしてあげることと、相手から何かをしてもらうこと、どちらに幸せを感じますか」。
岡村 どちらも幸せを感じます。僕は結構、誰かに何かをしてあげる方だとは思いますけれど。
――さきほど、土井先生の話の中で言いましたが、岡村さん、コロナのときに生クリームたっぷりのパンケーキをせっせと作ってたじゃないですか。「これ自分で食べるんですか?」って聞いたら、いつもご一緒されているスタッフやミュージシャンの方たちが食べさせられていたという(笑)。
岡村 僕、『dancyu』を愛読してるんですけど、誌面に載ってるレシピを見ながらよく作るんです。ほんと、コロナのときはずっと作ってました。
――そして、これも結構多かった質問です。「岡村さんの子供の頃の幸せな記憶ってどんなものですか?」。これは例えば、夕飯のカレーの匂いの記憶、とかそういうことですけれども。
岡村 炬燵に入ってドリフターズを観たり、 その炬燵の上にはみかんがあったり、そこで家族みんなで食事をしたり。そういうささやかなことでしょうね。あと、家族旅行したときも楽しかったでしょうね。
2024.12.27(金)
文=辛島いづみ
写真=佐藤 亘