カッパにへそを取られた健ちゃんは、へそを取り戻すためにカッパチームと野球で対戦することに。カッパと言えば相撲、という常識にとらわれないところが水木作品らしい。なお、『墓場の鬼太郎(のち「ゲゲゲの鬼太郎」に改題)』の「おばけナイター」(『大全集』029)では、墓場で鬼太郎のバットをひろったどん平少年が命を賭けて鬼太郎たち妖怪チームと野球の試合をする。おへそや命を賭けたりと、水木作品における野球はなかなかに物騒である。

『鬼太郎』シリーズには登場しないキャラクターも

◆狂骨

『ゲゲゲの謎』に登場する妖怪・狂骨は、江戸時代の浮世絵師・鳥山石燕が描いた妖怪画がもと。水木しげるは『妖怪画談』(岩波新書)などで画題としてはいるものの、『鬼太郎』シリーズには登場しない。アニメでは5期29話「ネコ娘の妖怪バスツアー」で小学生を襲う。この回で襲われる小学生・羽原舞の声優は小林由美子で、『ゲゲゲの謎』では長田時弥(時ちゃん)を担当。狂骨と縁が深いようだ。

週刊文春エンタ+ 特集『怪獣8号』/水木しげると「ゲゲゲの謎」(文春ムック)

定価 880円(税込)
文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

2024.05.31(金)
文=「週刊文春エンタ!」編集部