二条城にはおよそ50品種400本の桜があり、品種も多様なため3月下旬から4月下旬まで桜の姿を楽しめます。城内西側には八重紅枝垂れの桜並木があり、城内南側の桜の園も見事です。盛りの時期には、とにかく桜、桜、桜と埋め尽くされた光景を見ることが出来るでしょう。
ユネスコ世界遺産に登録されたことや、国宝指定の二の丸御殿、池泉回遊式庭園の清流園と風雅な印象が強いですが、堀の南西角から桜越しに見る南西隅櫓の風景はいかにも城らしい武骨な姿です。
正式には元離宮二条城といい、徳川家康が上洛時の宿として築城したもので、将軍宣下もここで行われました。明治に入って二条離宮となり、昭和14年に京都市に下賜された後、一般公開されるようになりました。
歴史の教科書では15代慶喜が諸藩を集めて大政奉還を諮問した場として有名ですが、3代家光から14代家茂まで229年間将軍の入城はなく、荒れに荒れていました。現在は秋の「お城まつり」をはじめ、さまざまな行事が行われています。「世界遺産・二条城ウエディング」と称する結婚式プランでは人力車に乗って入城し、城内を回り会場まで行くのですが、県外の方にも人気です。
桜の季節は、「2014年ライトアップ」が3月21日(金)~4月13日(日)の18:00~21:00に行われます。京都造形芸術大学による2メートルほどの光のオブジェや竹製の足元明かりが暗闇の中に浮かびあがり、幻想的な雰囲気を一層盛り上げます。和装の方は男女問わず入城無料です。
二条城の南には嵯峨天皇が812年(弘仁3年)に公式行事として最初の花見の宴を催した神泉苑があります。ここの庭園やお堀の桜を眺めたあとで、二条城を見るのも良いでしょう。
二条城へのアクセス
交通手段 市バス「二条城前」下車。
小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。
2014.03.06(木)
文・撮影=小林禎弘