この記事の連載
- 上戸彩インタビュー(前篇)
- 上戸彩インタビュー(後篇)
第3子の誕生で「今は“母”を優先してしまうけど……」上戸彩の“俳優の矜持”
10代のときから変わらない、溌剌とした瞳の輝きに惹きつけられる上戸彩さん。
2023年は『昼顔』(2017年)以来、6年ぶりに『シャイロックの子供たち』、『沈黙の艦隊』と立て続けに映画に出演、上戸さんにとって“映画イヤー”ともなった。本年は『沈黙の艦隊』に未公開シーンを加え、さらに大きく展開していく物語を描いたAmazon Originalドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』に出演する。本作での上戸さんの役どころは、報道ニュースキャスター・市谷裕美。市谷は、政府の陰謀を訝りメディアの闇と闘う信念の報道記者だ。
上戸さんへのインタビュー前編では、作品への思いや役どころについて、また共演の大沢たかおさんとのほっこりエピソードまで、存分に語っていただいた。
「ドラマにはもうちょっと出ているんですよ……」と言いたかった!
――興行収入13.4億円を突破した『沈黙の艦隊』のドラマ版にも出演されました。ついにドラマが配信される今のお気持ちはいかがですか?
映画→ドラマの順で公開になりましたけど、もともと私たちキャストはドラマ化されると聞いていたんです。最初にドラマのオファーを受けて、それから「映画化されます」と聞いたので、「それはすごいですね!」とびっくりしました。そして……私が演じる市谷がメインで活躍するのはドラマの後半だったこともあって、劇場版の舞台挨拶のときにはユースケ(・サンタマリア)さんに「ドラマのことをまだ言えないから、舞台に立ちづらいでしょー!?」と、裏でいじられていたんです(笑)。
――なかなか大変な立場ですね……!
そうでした(笑)。劇場版の時点ではドラマのことは言えないので、大沢(たかお)さんの横に立ちながら「ここに立っていてすみません……ドラマにはもうちょっと出ているんですよ……!」と、言いたい! けど言えない! という葛藤がありました(笑)。
――本作は世界最新鋭の原子力潜水艦が舞台となり、スケールも大きく非常にドラマティックな展開です。
本当にそう思います。最初に台本を読んでいたときは複雑に感じて、頭の中で全然映像化できなかったんです。Prime Videoで配信されているアニメ版を見て「なるほど! そういうことか!」と納得しました。原子力潜水艦「シーバット」を乗っ取る海江田(大沢たかお)をはじめ、男性がたくさん出ていて熱いドラマ作品です。そんな中、いろいろな物事を暴いていく存在が、私が演じる市谷になります。「視聴者の方の視点になれたら」と思って演じていました。
2024.02.09(金)
文=赤山恭子
撮影=釜谷洋史
スタイリスト=宮崎真純(likkle more)
ヘアメイク=中谷圭子(AVGVST)